「スパリゾートハワイアンズ」を運営する福島県いわき市の常磐興産をめぐり、大きな動きが明らかになった。アメリカの投資ファンドが、完全子会社を目指す方針を発表した。常磐興産は賛同の意見を表明し、従業員の雇用などは維持される予定ということだ。
福島テレビ・安齋遥介記者:「スパリゾートハワイアンズは、施設の老朽化などにより多額の設備投資が必要とされていましたが、感染拡大により財政状況が悪化。これまで見通しが立たない状況でしたが、完全子会社化により、さらなる企業価値の向上が期待されます」
福島県を代表する観光施設スパリゾートハワイアンズを運営する「常磐興産」。
TOB株式公開買い付けを行い、完全子会社化を目指す方針を発表したのは、アメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」だ。
発表資料によると、1966年にいわき市に開業したスパリゾートハワイアンズは施設の老朽化が進み、収益の拡大などを実現するためには、多額の設備投資が必要と想定されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により財政状況が悪化するなど、多くの経営課題に直面していた。
そのなか、常磐興産はアメリカの投資ファンドの傘下に入ることにより、新たな投資資金を確保できる見通しが立つことなどから、完全小会社への賛同を9月9日表明。ブランド名や従業員の雇用は維持される見通し。
スパリゾートハワイアンズの地元・常磐湯本町を50年以上見守ってきた商店の関係者は…。久つみ・九頭見淑子さんは「今もちょっと、以前よりは遠い存在になりつつあるのに、ますます別物っていう感じになっちゃう気がして寂しいですよね」と話す。
常磐興産が傘下に入るアメリカのフォートレス・インベストメント・グループとは、どんな投資ファンドなのか。
2023年9月には、百貨店のそごう・西武を買収している。買収後の雇用の維持などを求めて、労働組合がストライキを決行したことが話題となったが、今後、西武池袋本店は、ヨドバシカメラが出店し、売り場面積は半減する見込み。
そして、2024年5月には、宮崎市の大型リゾート施設をフォートレスに売却することが発表されている。
今回の買収について、いわき市の内田市長は、「厳しい競争を勝ち抜いていくための経営判断だと受け止めている。経営主体が変わっても、従業員の雇用は守り、地域との対話を大切にしてもらいたい」とコメントしている。
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