JAがコメ農家に支払う前払い金の目安となる「JA概算金」が決まった。全国的なコメの在庫不足や生産コストの高騰を背景に、はえぬきなどで4300円アップと、県内では現在の概算金制度が始まって以来の高値となった。

きょう(9日)決まった「JA概算金」は、JA全農山形から各JAに支払われる前払い金で、市場での卸売価格にも影響する。
JA全農山形によると、ことしの県産米のJA概算金は、主力品種の「はえぬき」が60キロ当たり去年産と比べて4300円の大幅アップで1万6500円。
高温に強い品種の「雪若丸」も、4300円アップで1万7100円となった。また、高級ブランド米の「つや姫」は、3100円アップの1万9500円となった。

JA概算金の引き上げは3年連続。物価高の影響で大幅アップとなった去年と比べても3倍以上の引き上げ幅で、現在の概算金制度が始まった2016年以降で最大となった。
JA全農山形は概算金上昇の理由について、「現在の全国的なコメの在庫不足」と「資材や燃料・人件費など生産コストの高騰」を挙げている。

JA概算金の上昇は、コメ農家の収入増加に直結する。概算金の大幅アップを、山形市で農業組合法人は好意的に受け止めている。

(やまがたファーム・丹野菊男代表)
「コメ作りを引退する人が出てきているのが現状だが、概算金1万7000円ぐらいなら、まだ頑張れるような気もする」

いま全国で起きている深刻なコメ不足は、新米の出荷が本格化すればいずれ落ち着くとみられている。消費者からは、今後新米の価格も上がるのではないかとため息が聞かれた。

(買い物客)
「全て値上がりしているので、ちょっとぐらいは仕方ないと思うが、かなり上がると生活が厳しい」

(丹野菊男代表)
「農業は設備や機械も大きくしたり、金がかかるばかりだが、(大幅引き上げで)なんとかやっていけるのではないか」

農林水産省によると、概算金が全国的に上がっていることを受け、新米の価格もやや上昇するとみられている。

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