創業120余年の角萬漆器は、2年前に那覇市前島から首里山川町へ移転、琉球王朝時代の首里城に至る随一の公道「綾門大道(あやじょううふみち)」沿いにあり、店舗と工房に加え「CAFE 角萬」を併設しました。6代目の嘉手納豪社長は「漆器の需要は年々減少していますが、琉球王朝時代の古都首里では多くの先人たちが漆器を日常使いしていたはずです。首里に店舗を構えた意味は、原点に立ち返り、現代のライフスタイルに沿う漆器の提案をすること。それには琉球漆器を見て、知って、触って、体験してもらうカフェの存在は必須でした」と話します。
コンクリート打ちっぱなし、天井も高く開放的な雰囲気のおしゃれな店内の奥に、窓から那覇の街並みと慶良間諸島が見えるカフェがあります。カウンターも椅子も漆の技法が施された唯一無二の空間で、天目の器で飲むビターなコーヒーや棗(なつめ)(茶道具)に盛られた上質なアイスクリームやケーキが堪能できます。
丁寧な接客や器と食の体験を通して漆器の良さを知ってもらい、ファンをこつこつ増やすことが近道だと感じます。先月は「首里の朝市」に初参加。地域との輪を広げ、首里というポテンシャルを生かしたアイデアからコラボ商品が生まれます。地域企業との連携も始まった老舗漆器屋のチャレンジに注目です。
【メモ】那覇市首里山川町1の54の1。電話098(943)3810。詳細はQRコードから。
棗(なつめ)で提供されるアイス
角萬漆器のロゴ
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