小林製薬の「紅麹」をめぐる問題で、ずさんな衛生管理の実態が明らかになりました。
工場の床にこぼれた 材料を使って、食品向けの「紅麹原料」を製造していたことが判明したほか、監督をする大阪市長が『ほかのトラブルも把握している』と明らかにしました。
小林製薬を巡っては、紅麹原料を使ったサプリメントを摂取した人に腎疾患などの症状が相次ぎ、これまでに5人が死亡し、221人が入院しています。
■床にこぼれた材料を使った「紅麹原料」を業者に納品
小林製薬によると、大阪工場で去年4月、材料を混ぜ合わせる機械の蓋を閉め忘れたことで材料が床にこぼれました。
従業員はその後、床や機械に触れていない材料をすくい取り、食品向けの紅麹原料の製造に使っていたということです。
小林製薬は去年5月、こぼれた材料を使った紅麹原料120キロ分を6つの業者に納品しましたが、その翌月、119キロ分を自主回収。
残る1キロはそのまま使われたということです。
小林製薬は品質には問題がないとした一方で、「再利用するという判断は不適切」とし、落下防止の対策や使いまわしを禁止するようルールを強化しているということです。
■「それ以外の情報も把握している」と市長
監督をする大阪市の横山英幸市長は、「衛生上の意識として正しかったのかどうかというと、今聞いているところでは疑問に思うところもある。それ以外の情報も把握はしています」と語り、今回の問題以外にも、市としてトラブルを把握しており、「厚労省と情報をどこまで発信するか協議しながら進めている」としました。
■「全社を挙げて取り組む」と小林製薬
紅麹原料の材料を培養する工程を巡っては、タンクを温めるはずの温水がタンクの内部に混入していたことも明らかになっています。
小林製薬は「ご迷惑・ご心配をかけることがないよう、全社を挙げて取り組みます」とコメントしています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。