米沢市の栗子山で進む風力発電事業をめぐって、県と米沢市が中止や見直しを求めたのに対し、事業者側は「現時点で撤退は考えていない」との見解を明らかにした。

これはきょう(2日)、環境アセスメントの最終段階となる「評価書」の手続きに向けた協議の場で、JR東日本エネルギー開発の担当者が明らかにしたもの。

計画をめぐっては、環境アセスメント3段階目の「準備書」について、事業者側が行ったイヌワシの生息調査は「極めて不適切」だとして環境保護団体などが中止を求め、吉村知事も8月に「中止も含めた計画の抜本的な見直し」を要求。
米沢市の近藤市長も、住民の間に広がる不安や不信感などを理由に「計画の白紙撤回」を申し入れた。

きょうの協議で、事業者側のアドバイザーを務める新庄市の専門家は、「地元自治体から強い反対の声が上がった以上、事業を継続するのは困難ではないか」と詰め寄ったが、JR東日本エネルギー開発の担当者は「八方ふさがりという感覚は持っておらず、現時点で撤退は考えていない」と述べ、事業を継続する考えを示したという。

その上で、「来年7月まで月1回のペースで追加の生息調査を実施する計画を立て、先月から進めている。地元住民への説明も今後しっかり行い、信頼を得ていきたい」などと述べ、専門家に対し引き続きアドバイスを求めたという。

米沢市は、JR東日本エネルギー開発の松本義弘社長に対し、白紙撤回の申し入れに対する回答を速やかに行うよう求めている。

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