越前市坂口地区では、2022年から「メンマ」の特産化に取り組み、2024年にようやく商品化にこぎつけ販売を始めることになりました。2日は、完成したメンマがお披露目されました。
 
中華そばにトッピングされたのは、15センチもある長ーいメンマ。中華そばの主役並みの存在感を放ちます。
  
このメンマの生産に取り組んでいるのが、越前市坂口地区です。地区の課題の一つが、荒れた竹林の整備でした。メンマは竹が成長する前の幼竹を使うため、特産化できれば竹林の環境整備も叶うとして、2022年からメンマづくりを進めてきました。 
 
2024年は、4月から5月にかけて地区の20カ所で2.6トンの幼竹を採取し、約3カ月かけて製造。540キロ分のメンマが完成しました。
 
国内で流通しているメンマは99%が外国産ですが、地元産の”安心なメンマ”として売り出そうと「竹とり物語」と銘打ち、ブランド化を図ります。
 
坂口メンマ倶楽部事業部長・藤木保男さん:
「試行錯誤したが、やっと商品になっていくんだと感慨深いものがある。なんとか売れて次の再生産につなげていきたい」
 
2日は、完成したメンマを使った中華そばが振る舞われ、市長や生産者が味を確かめました。試食した山田市長は「食べ応えがある。だしの馴染みが良い。安心して地元産が食べられる」と味に太鼓判を押しました。
 
武生麺類組合では、このメンマを使った料理の開発を進めていて、越前市三大グルメの「中華そば」や「おろしそば」、「ボルガライス」のほか、寿司などに合わせて現在のところ市内の4店舗で提供することにしています。中華そばのメンマはうどんだしで優しい味に、寿司のメンマはかんぴょうのように味をしみこませるなど、それぞれの料理に合わせてメンマの調理法を変えています。
 
坂口メンマ倶楽部事業部長・藤木保男さん:
「これが全国に広がって拡大すれば、環境整備にもなるし、坂口の活性化にもつながる。地域をひっくるめて、良い方向へ行くのではないか」
 
塩抜き前のメンマは越前市内のスーパーで購入することができ、早ければ9月中に店頭に並ぶということです。
 
越前市では2024年から、1人1000円の「森林環境譲与税」を徴収し、メンマの元となる竹林の整備やメンマづくりの資機材の購入に充てているということです。
 
幼竹から、メンマにできる部分へそぎ落とすほか、加工過程で量が減るため、最終的にメンマとなるのは採取した幼竹の約2割です。今後、竹を採取するエリアを広げてメンマの安定した供給量を確保したい考えです。

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