福井市にあるスーパー「Aコープやしろ店」では、初出荷を迎えた2024年産ハナエチゼンの新米が店頭に並び、待ちわびた客たちがさっそく買い求めていました。
   
「チラシ見て、今日は絶対に行こうと思った。買えてよかった」
こう話すのは、販売が始まったばかりのハナエチゼンを買い求めた人です。
  
コメ不足が叫ばれる中、この店ではハナエチゼンの新米も、他のコメと同様に1人1袋の制限を設けて販売しましたが、開店から2時間ほどで10キロ入りが30袋以上、飛ぶように売れていました。
   
Aコープやしろ店では「やっと新米が出て落ち着くかな。去年のコメが少ないと言われていたので、客も安心して買い物ができるかなと思っている」と、胸をなでおろした様子でした。
  
新米が入荷する前の8月12日、このスーパーで取材した際は、コメはやはり“品薄状態”でした。新米が並ぶ21日までの間、なんとか凌いだといいます。
 
ようやく迎えた新米の販売ですが、気になるのはその価格です。Aコープやしろ店では「価格は例年より上がり、2023年産と比べると、店頭価格で約120%になっている」と話しています。全国的なコメ不足の影響などで、店頭価格は2023年と比べ、1キロあたり約100円値上がりしたといいます。例えば、10キロのハナエチゼンは、2023年産の税抜き価格は3980円だったのに対し、2024年産の価格は4980円と1000円値上がりしています。
 
訪れた客は「びっくりした。そんなにコメが足らなくなったのかなと。高いけど、仕方がないんでしょうね」と諦めた様子で話しました。またある客は「これ、いま娘に送ります。関西にいる娘がもうスーパーにないというので。ちょっと高いですね」などと話していました。
 
Aコープやしろ店では「ハナエチゼンの価格はこのまま行くのかな。コシヒカリ、いちほまれは、これ以上の価格がつくと見ている」と話しています。
  
Aコープやしろ店が21日店頭に出した10キロ入りのハナエチゼンの新米50袋は一日でほぼ完売し、すでに追加発注をしたということです。
 
コメが売れる前に農家に支払う「前払い金」は、2023年に比べて4割アップしていますが、店頭では、現段階で2、3割の値上げでおさまっていました。今後、ハナエチゼンと同等の収獲量があるコシヒカリや、全体の1割ほどを占める「いちほまれ」もこれから収穫期を迎えますが、ハナエチゼンの動きを見ると店頭価格は、2023年に比べ2、3割ほど高くなる可能性も考えられます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。