小林製薬は第二四半期の「決算発表」と紅麹問題に関して説明を行う記者会見を8日午後3時半から始まりました。会見には新社長に就任する山根聡氏と小林章浩・現社長も出席しています。会見の冒頭、紅麹問題について謝罪しました。


▼新社長「あってはならない事態…痛恨の極み」

 (小林製薬 山根社長)「紅麹サプリを巡り、あってはならない事態を起こしてしまい痛恨の極みでございます。責任を重く感じています。最初の症例が1月にありながら、2か月間もなぜ公表ができなかったのか、原因究明に終始してしまい、目の前で起こっている事態に想像力を働かすのが弱かったと思っています」

 小林製薬はこれまでの健康被害を訴えている問題など影響等を踏まえ、8月8日に開催された取締役会で「紅麹」事業から撤退する決議をしたと発表しました。会見では紅麹問題の決算への影響や、事業撤退に関して説明が行われています。

 また、紅麹問題を巡り、第一四半期、第二四半期で製品の回収や設備の減損など約79億円の損失を計上しました。

 「紅麹」を使った小林製薬のサプリメントを摂取した人に健康被害が出ている問題をめぐっては7月23日、外部の弁護士による調査報告書が公表されました。報告書によりますと、小林製薬は今年1月に健康被害の報告を受けていたにもかかわらず、行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」と社内で判断し、2か月後の今年3月まで被害を公表しなかったということです。また、大阪工場ではおととし11月上旬に、紅麹を培養するタンクのフタの内側に青カビが付着していることが確認されましたが、品質管理担当者は「青カビはある程度は混じることがある」として、問題視しなかったことなどが指摘されています。

 一連の問題を受けて7月23日に開かれた臨時取締役会では、小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)が辞任することが決まり、一雅前会長はその日に特別顧問に就任しました。

 一雅特別顧問に対して小林製薬は報酬として月額200万円を支払うことを決めましたが、これは社内の規定で定められた顧問に支払う報酬の4倍にあたるということです。また、顧問の通常の契約期間は2年ですが、一雅氏が就任した特別顧問は3年だということです。小林製薬は「再建のためには元会長の経験や知見を生かすことが必要だと判断した結果」としています。さらに社長を辞任する章浩氏と、新たに社長に就任する山根聡専務は月額報酬の一部を返上する予定ですが、一雅氏は報酬を返上しないということです。小林製薬は「取締役を辞任することで返上は不要だと判断した」としています。一雅氏は会見には出席しない予定だということです。

 小林製薬は外部弁護士による調査報告書の公表後、これまで公で会見を行うなどして説明はこれまで行っていませんでした。

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