諏訪神社の秋の大祭、長崎くんちに向け各踊町で本格的な稽古が始まっています。

本踊を奉納する興善町では登場する獅子役の迫力を増そうと、歌舞伎の演出を取り入れることにしています。

附け打ちとは歌舞伎独特の効果音のこと。

出演者の動きに音をつけ、心情や迫力を演出します。

興善町は指導役にこの道30年以上の附け打ち師、山崎 徹さんを迎えています。
(※「崎」は「たつさき」)

「タイミングを見計らって。腕の振りを」(打つ)「そうです、そうです」

興善町が奉納する本踊は「石橋」(しゃっきょう)です。

能が由来のおめでたくも格式の高い踊りで、紅白の獅子による大胆な「毛振り」が見どころです。

獅子の荒々しさを表現するため、興善町は前回10年前に附け打ちを取り入れました。

その時に担当したのが藤間織星さんです。

前回は峰織貴師匠から教えを受けましたが、今回は山崎さんからの直接指導で腕を磨き、さらに高い完成度を目指します。

興善町附け打ち 藤間織星さん
「音楽をよく聞くことと、踊り子の振りのタイミングに合わせること。それに大事なのは息を合わせることに尽きると思う」

くんちの本踊は歌舞伎とは違い、屋外での披露が前提です。

山崎さんは音の入れ方にも工夫を凝らしたいといいます。

山崎 徹さん
「10年経って成長しているので、より躍動的に石橋が演じられるように、附けの技術もハイレベルなものをこれから稽古しようと思う」

見ている人の心をつかむ演目に仕上げようと、秋の奉納に向けてすでに稽古が始まっています。

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