米南部ジョージア州で開いた選挙集会で演説する共和党のトランプ前大統領=2024年9月24日、AP

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は24日、南部ジョージア州で演説し、当選した場合に米国への外国企業の誘致を担う担当大使ポストを新設する考えを示した。輸入品には高関税をかける一方で、国内で操業する企業への税制優遇や規制緩和を進め、「製造業ルネサンス」を実現すると主張した。

 トランプ氏は演説で、米国に製造拠点のある企業の法人税を現行の21%から15%に引き下げ、研究開発費の税額控除や規制緩和の促進も図ると説明した。

 電力消費量が大きい人工知能(AI)産業の発展も見据え、石油や天然ガスの増産も推進。外国企業に対して「米国で製品を作るなら、安い税金、安いエネルギー価格、緩い規制、世界最大の市場への自由なアクセスを提供する」と訴えた。

 一方で「米国で製造しないのなら、輸出時に関税を支払わないといけない」「メキシコから輸入される全ての自動車には100%の関税をかける」などと強調。「100%や200%の関税をかけられるなら、企業はメキシコでの工場建設はやめるだろう。自動車産業は中国や日本に徐々に壊されてきたが、私は自動車産業を米国に取り戻す」と述べた。

 大統領選で勝敗のカギを握る接戦7州には、中西部ミシガン、ウィスコンシン、東部ペンシルベニア各州など製造業が盛んな地域も多い。南部ジョージア、ノースカロライナ、西部アリゾナ各州も、先端産業の誘致を積極的に進めており、トランプ氏は「製造業ルネサンス」を訴えることで選挙戦を優位に進める狙いがあるとみられる。【ワシントン秋山信一】

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