イスラエル軍は24日、レバノンの首都ベイルート南部を空爆し、イスラム教シーア派組織ヒズボラのミサイル・ロケット部隊を率いる司令官ら幹部3人を殺害したと発表した。レバノン南部などにも引き続き空爆しており、戦闘が収束する兆しは見えていない。レバノンでは北部や隣国シリアへ避難する人が相次ぐなど混乱が続いている。
レバノン保健省などによると、ベイルートでの空爆では少なくとも6人が死亡し、15人が負傷した。イスラエル軍は東部ベカー平原やレバノン南部でも、ヒズボラの武器庫などを破壊したとしている。また、隣国シリア西部の港湾都市タルトスでも24日、イスラエル軍の空爆とみられる爆発があった。
一方、ヒズボラは24日、イスラエルに約300発のロケット弾や無人機を発射。北部の都市ハイファ近郊では火災が起きた。
イスラエル軍による23日の大規模空爆では、約1500カ所に約2000発の弾薬が撃ち込まれ、これまでの死者数は民間人を含む569人に上っている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のスタッフ2人も死亡した。
ロイター通信などによると、イスラエル軍のハガリ報道官は24日、ヒズボラに対する軍事作戦は「できるだけ短くするよう努めている」と述べる一方、「ヒズボラはまだ多様な能力を持っている」とも指摘し、攻撃を続ける姿勢を示した。
紛争の激化を受け、ベイルートの国際空港ではエミレーツ航空やカタール航空など多くの航空会社が運航を中止。イスラエル側でも一部の航空便が運航中止となった。【エルサレム金子淳】
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