【北京=三塚聖平】中国の董軍(とう・ぐん)国防相は16日のオースティン米国防長官とのテレビ電話会談で「中国人民解放軍は一切の『台湾独立』の分裂活動や外部による容認、支持を決して放任しない」と表明した。南シナ海問題に関しても、米側に「中国の領土主権や海洋権益を適切に尊重すべきだ」と求めた。
中国国防省が17日発表した。董氏は、軍事分野が「両国関係の発展を安定させ、重大な危機の発生を防ぐ鍵となる」として関係安定化に意欲を示しつつも、台湾や南シナ海に関する問題では米側の関与を拒絶する姿勢を明確にした。
テレビ電話会談で董氏は「中米両軍は付き合い方を探し求めるべきだ」と述べるとともに「対等と尊重」を前提に実務協力を進めるよう米側に呼び掛けた。
一方で、台湾問題に関しては「中国の核心的利益が損傷を受けることは絶対に許さない」と強調。南シナ海問題に関しては「現在、情勢は全体的に安定しており、地域国には問題解決の意向や知恵、能力がある」と述べ、米国に関与しないよう求めた。
米中双方は「ともに関心を持つ問題」についても意見交換を行ったと説明している。
米中国防相による対話は2022年11月以来。米中両政府はバイデン大統領と習近平国家主席の昨年11月の首脳会談で合意した国防当局・軍高官対話の再開を進めている。
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