中央教育審議会の特別部会による提言の問題点を指摘した全日本教職員組合などによる記者会見=東京都千代田区の文部科学省で2024年5月14日午後4時2分、斎藤文太郎撮影

 文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)の特別部会が取りまとめた教員不足解消策に対し、教職員らでつくる労働組合2団体が14日、東京都千代田区の文科省内で相次いで記者会見し「特別部会の審議は不十分だ」などと批判した。

 特別部会は、教員に一律支給される教職調整額を現行の給料月額4%から10%以上に引き上げるよう国に提言した。日本教職員組合(日教組)の薄田綾子・政策局次長は会見で「処遇改善は実現してほしい」とした上で、残業代の代わりに教職調整額を支給すると定めた教員給与特別措置法(給特法)について「勤務時間管理の意識を希薄にしている」とし、廃止や抜本的な法改正に向けた継続的な議論を求めた。

 提言には教科担任制の拡充や生徒指導担当の加配が盛り込まれたが、薄田氏は「そもそも教える内容が多く指導要領を精選すべきだと求めてきたが、特別部会は踏み込まなかった。教員を増やす具体策も足りない」と述べた。

 一方、全日本教職員組合(全教)の宮下直樹・中央執行委員長は、特別部会が残業代の導入を見送ったことについて「国立や私立の学校では残業代が支払われており、公立で支払えないとするには論理矛盾がある」と指摘した。【斎藤文太郎】

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