写真はイメージ=ゲッティ

 群馬県が発表した2024年度の学校基本統計(速報値)で、県内の5月1日現在の幼稚園児は前年度比887人減の5853人で、急減傾向が一層明らかになった。1952年度の5102人以来の少なさ。少子化の進行に加え、共働き家庭が増えて子供をより長い時間預けられるこども園や保育所へ移行する傾向があるという。【田所柳子】

 園児の減少は24年連続。ピーク時の79年度に2024年度の7倍近い4万177人だったが、95年度に3万人を割り、20年度に1万人を割っていた。閉園や保育所との合併・認定こども園への変更も相次いでおり、24年度の園数は105園で、前年度から前橋市立宮城幼稚園など6園が減少。1981年度の268園の半分以下に減った。

 所在地は高崎の25園、伊勢崎の13園、前橋の10園など市部が中心で、14市町村には幼稚園がない。幼稚園には自主性を育み、学習への関心を高めるなど独自の教育機能があるが、幼稚園が不在の自治体では行きたくても行けない状況になりかねない。

 これに対し、認定こども園の園児数は増加傾向が続く。統計を開始した2015年度に5321人だったが、翌年度に1万人、18年度に2万人をそれぞれ超えた。ただ、今年度は前年度比107人減で統計上初めて減少し、2万6204人だった。

 一方、小学生は前年度比2134人減の8万7756人、中学生は同1304人減の4万7664人、高校生は同780人減の4万5198人だった。小中学生は記録が残る1951年度以降で最少で、高校生は51年度に次いで2番目に少なかった。ピーク時で小学生は58年度に24万6316人、中学生は62年度に12万9649人だったので、3分の1近くに減ったことになる。

 また、県の調べで県内の保育所に入れない待機児童数は4月1日時点で12人だった。18年に28人いた待機児童数は年々減少し、昨年は8年ぶりに0人と待機が解消されていた。

過去10年の群馬県内幼稚園児数

2015年度 1万8019人

  16年度 1万6282人

  17年度 1万3891人

  18年度 1万2652人

  19年度 1万1099人

  20年度   9565人

  21年度   8540人

  22年度   7444人

  23年度   6740人

  24年度   5853人

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