駅のエスカレーターで盗撮の被害を防ごうと、神奈川県警港北署などは10日、横浜市港北区の新横浜駅で「盗撮被害防止ミラー」をお披露目し、利用者に注意を呼びかけた。鏡をつい見てしまう人間の心理を利用したもので、背後からの盗撮を未然に防ぐ狙いがある。
新横浜駅に乗り入れのあるJR東海、JR東日本、横浜市営地下鉄、相鉄、東急の全5社が協力し、駅構内のエスカレーター横の壁にステッカー状のミラー12枚を貼り付けた。ミラーにはイラストが付いており、「盗撮、見られています。盗撮は犯罪です!」と書かれている。
エスカレーターでの盗撮は、女性の背後が狙われ、カメラをスカート内に差し入れられることが多い。前方の女性がミラーを見ると同時に背後の様子を気にすることで盗撮しようとする人をけん制することができるという。
ミラーの心理的効果の活用は、大阪府警が2023年にJR大阪駅直結の駅ビルで始めた取り組み。行動経済学に基づいた「ナッジ理論」を応用している。ナッジは英語で注意をひくために刺激するという意味。神奈川県内でも小田急線本厚木駅などで導入が進んでいる。
港北署管内では初めての設置となり、今後他の駅にも設置を検討するという。笠佳孝署長は「盗撮被害を発生させないために、後ろを気にすることがとても大事。犯人にも盗撮をしたら捕まると気付いてもらいたい。周囲の人も盗撮に気付いたらためらわずに通報を」と話した。【横見知佳】
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