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 「迷走台風」などと言われる台風10号は、いつまで警戒が必要なのでしょうか。気象予報士の今村涼子さんに解説してもらいます。

■台風から離れた地域でも大雨

立体・風解析図 30日 この記事の写真

 31日から9月1日にかけても、まだ危険な雨の降り方をする所があるかもしれません。今回の大きな特徴として、台風から離れた所でも、すでに大雨になっていることが挙げられます。これは、風の流れにも表れています。

 30日の「立体・風解析図」を見ると、西日本では台風本体の風が渦巻いています。これとは別に、関東方面に風が集中して流れ込んでいるのが分かります。

(Q.台風と同じくらいの風が、まとまってきているようにも見えますね?)

 台風が引き込む南風、そして東にある高気圧の縁を回る南風、この二つの南風が合流して、関東方面に流れ込んでいます。風が合流するところが、雨雲が発達しやすいところにあたるわけです。この風の流れに沿って、活発な雨雲が次々と流れ込んできているのが分かります。

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■熱帯低気圧でも油断禁物 ピークはいつ?

■熱帯低気圧でも油断禁物 ピークはいつ?

24時間雨量

 風がぶつかると、活発な雨雲がまとまってしまうことがあり、集中して雨が強まって降りやすいのです。

 実際に、八王子では30日、6時間で200ミリという記録的な降りかたをしました。こうした状況がまだ東海や関東で続いている上に、この台風本体の雨雲が31日以降にやってくることになります。

線状降水帯の予測

(Q.まとまってくるとなると、線状降水帯の恐れもありますか?)

 気象庁が30日、線状降水帯の予測情報を出しているのが四国、近畿、東海です。31日にかけて、線状降水帯発生の恐れがあるということです。関東には出ていませんが、それでも危険な降りかたになる恐れは十分にあります。

 台風の進路ですが、30日時点で瀬戸内海にあり、勢力は落ちてきています。31日にかけて、さらに弱まりながら四国・紀伊半島方面に進みます。

 その後、熱帯低気圧に変わりながら、9月1日も近畿地方付近にとどまるのか、ちょっと東に進むのかというところになりそうです。

ピークはいつ

(Q.本当に今回は警戒の時間帯というのが長いですが、ピークはいつになってくるのでしょうか?)

 熱帯低気圧になっても、決して油断はできません。「雨雲は全然衰えない」と思っていただきたいです。では、ピークはいつになるのでしょうか。

 四国方面では30日夜、線状降水帯が発生する恐れがあります。31日朝にかけては、東海方面に活発な雨雲が移ってくる状況です。関東でも、特に神奈川西部の小田原などでは、激しい雨が降りやすい状況が続きます。

 31日の日中には、この活発な雨雲がどんどんまとまって、東海方面、名古屋にかかり、静岡あたりでも危険な状況が予想されます。

 31日夜には、関東の山沿いでも赤(300ミリ以上)やピンク(80ミリ以上)の雨が降る予想が出ています。非常に活発な雨雲がかかることが予想されています。

 さらに、この台風の厄介さを示すのが、31日夜以降、雨雲が全く離れていかずに停滞するような状況です。(台風から変わった)熱帯低気圧の中心を回り込むように、同じような場所に雨雲がかかる状況も見受けられます。

 熱帯低気圧の動きがまだ定まっていないことはありますが、こうした状況が最悪の場合は考えられます。雨雲が少しでも東にずれると、東京などの平野部でも激しい雨が続く可能性が高いと言えます。

関東のピークは

(Q.関東のピークは、31日夜から9月1日昼ぐらいということですか?)

 その間は、本当に激しい雨がどこで降ってもおかしくないと考えておくべきです。

 9月1日にかけての予想雨量を見ても、特に危険なエリアが分かります。赤(300ミリ以上)は静岡から関東の山沿いにかけての地域になりそうです。オレンジ(200ミリ以上)や紫(400ミリ以上)の警報も神奈川から静岡県内に出ています。

 すでに静岡や小田原方面では、平年の2〜3カ月分の雨が降っている状況です。さらに同じくらいの量が9月1日にかけて降る恐れがあるということです。

(Q.小田原では観測史上最大の300ミリを超える雨が降っています。小田原周辺ではさらに400ミリを超える可能性もありますか?)

 30日に降ったのと同じくらいの量が再び降った場合、川の増水がさらに大きくなり、土砂災害の規模も大きくなることが十分に考えられます。

 関東、そして静岡では特に災害の危険度が高まりますので、今後の雨の降り方には十分に注意していただきたいと思います。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月30日放送)

テレ朝天気

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