大雨の影響で東京-名古屋間が終日運転取りやめとなり、閉鎖されたJR東京駅の東海道新幹線改札口=2024年8月30日午前10時24分、宮間俊樹撮影

 30日に九州から四国に向けて東に進んだ台風10号。台風から離れた東日本でも交通機関が乱れ、記録的な大雨に見舞われた地域もあり、影響は広範囲に及んだ。

 東海道新幹線は30日の始発から東京―名古屋間で終日運休した。JR東京駅の窓口には、切符の払い戻しなどを求める人たちが列を作った。

 名古屋市中村区の会社員、村山響さん(26)は友人とアイドルグループのコンサートを聴くため、29日に上京。「新幹線から夜行バスに変更して金沢経由で帰ります。コンサートが中止にならなかったのがせめてもの救いです」と苦笑した。

 出張先の福岡から戻った横浜市の会社員、渡辺英章さん(69)は29日に飛行機が欠航したので新幹線を選んだが、岐阜羽島駅で立ち往生した。北陸を回って東京駅にたどり着いたが、福岡から東京への移動に24時間以上かかった。「長いサラリーマン生活でも初めての経験。家でゆっくり休みます」とほっとした表情を浮かべていた。

 神奈川県では土砂崩れや河川の氾濫があった。

 30日朝、伊勢原市と秦野市を結ぶ国道246号の新善波トンネル出入り口付近で、のり面が崩れて乗用車2台が土砂に巻き込まれた。車内にいた計3人は車外に逃げ出して無事だった。二宮町では川の水があふれ、町内全域を対象に危険度が最も高い「緊急安全確保」が発令された。県警によると、町内の幹線道路が冠水し、「車が水につかった」など複数の通報があった。

 31日もJR東海道線の小田原―熱海間で始発から運転を見合わせるなど影響が続く見込みだ。【高橋昌紀、柿崎誠】

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