インターネットの地図サービス「グーグルマップ」上で不当な口コミを放置されて損害を受けたとして、全国の医師ら約60人が18日、運営元の米IT大手グーグルを相手取り、計約140万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。口コミの投稿者ではなく、サービスを提供するプラットフォーマーの賠償責任を問う集団訴訟は異例だという。
グーグルマップは、世界中の地図を閲覧できるサービス。地図上に店舗や施設の名前、連絡先などが表示され、利用者が匿名で5段階の評価をつけたり、口コミを投稿したりすることができる。
訴訟の原告は、東京や神奈川、愛知、大阪などの医師や歯科医師ら。1人当たり2万3千円の損害賠償を求めている。
原告側によると、グーグルマップに「怒鳴られた」という事実と異なる投稿をされた例や、「待ち時間が長い」「冷たい対応をされた」といったコメントとともに最も低い評価をつけられた例もあった。医療機関は診察内容などに関する守秘義務があり、こうしたコメントに公の場で反論することが難しいという。
原告側は訴状で、悪意ある口コミによって削除要請などの対応を強いられ、「営業権を侵害されている」と指摘。グーグルはこうした状況を認識しながら、コメントを管理する機能を導入するなどの被害防止策をとらないままサービスを運営し、広告料収入を得ていると主張している。
グーグル広報部は「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めている」とした上で、「個別の案件に関しては、コメントを差し控える」としている。
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