米IT大手グーグルが提供するインターネットの地図サービス「グーグルマップ」で、投稿された不当な口コミを放置されたとして、全国の医師らが18日、損害賠償請求訴訟を提起した。誰もが自由に利用できるグーグルマップを巡っては口コミ欄のトラブルだけでなく、マップ上の施設名などが改竄される被害も確認されている。
こうした改竄は2015年頃から国内外で目立つようになった。同年春には東京都千代田区の皇居内の施設に「オウム真理教皇居支部道場」、近くにある警視庁本部は「サティアン」と、オウム真理教の関連施設であるかのような名称が書き込まれた。広島市の原爆ドームは「核実験場」などと心ない名称に改竄された。
米国でも同年、ホワイトハウス付近に、ロシアに亡命した米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン氏を連想させる名称が表示。今年1月には、アフリカ中部のビクトリア湖に浮かぶ小さな島の建物に「ジャニーズエンターテイメント」「宝塚歌劇団」と、日本人が書き込んだとみられる名称が記載された。
名称だけでなく施設や店舗の情報が改竄されるケースもあり、過去には公安調査庁の一部の出先機関が「閉鎖」「閉業」と表示されたこともあった。
こうした改竄は、グーグルのシステムをハッキングするような大がかりな手口ではなく、ほとんどは機能を悪用した書き換えだとみられる。
グーグルマップでは、施設や店舗の名称、営業時間などの情報の変更をグーグル側に依頼することが可能。依頼情報を送信するとグーグル側が審査し、正しい情報と判断されれば反映される。ただ、何らかの原因でこの審査をすり抜けて、悪質な変更依頼が反映される可能性もあるという。
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