飼育する子牛8頭がヒグマに襲われて死傷した北海道別海町の牧場「共和育成センター」を運営する「なかしゅんべつ未来牧場」は、侵入防止対策として哺育舎(新生児用のD型ハウス)に金属製の扉を設けた。牧場内に箱わなや監視カメラも設置した。このヒグマを巡っては、ハンターが警戒しているが、29日現在、捕獲に至っていないという。
死傷した子牛が見つかった21日から約1週間。牧場は28日に約110万円をかけて、哺育舎の両側に間口部8メートル、高さ2メートルの観音開きの金属製の扉を設置した。
牧場の周囲は警戒が続く。道猟友会別海支部のハンターやJA中春別職員ら計17人(うちハンター10人)は25日、駆除に向けて、哺育舎西側の沢付近を高台から監視しながら直線距離で2・3キロ、幅400メートルの範囲を探索した。しかし、不発に終わったという。
ヒグマに関しては、22日午後6時45分ごろ、東に約2キロ離れた牧草地での目撃情報が中標津署に寄せられた。だが、その後、足跡を含めて情報は途絶え、監視カメラでもヒグマらしき姿は確認されていない。牧場は監視体制を強化する一方、休止した預託牛の受け入れ再開の時期を探っている。
同センターの友貞(ともさだ)義照専務(63)は「今後は猟友会、町などと相談し、箱わなの移動や電気柵の設置も検討したい。2回目の事故が起きないように最善を尽くす」と話している。【本間浩昭】
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