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寺の敷地をゆっくりと歩いているのは「クマ」です。この時期、市街地での目撃が相次いでいますが、その理由が最新の研究で分かってきました。どうやら「空腹」だけではないようです。

■防カメにツキノワグマ…住宅街で目撃相次ぐ 

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広島県にある寺の防犯カメラがとらえたのは、本堂の裏手に侵入したツキノワグマです。

正覚院 菅梅弘順 住職
「奥へクマが進んでいって、フェンスの間を抜けて奥に入っていった。その向こうにも寺の建物がある。怖いなと思った」

クマが現れたのは、世界遺産の厳島神社がある廿日市市。市街地の中心にある寺です。
近くの高校や小学校の周辺でも、28日、目撃情報が相次いでいました。

正覚院 菅梅弘順 住職
「(防犯カメラの)映像を見ると、ブロック塀を超えてきている。廿日市高校で目撃され、市街地を通り階段を上ってきたか」

いま人が多い市街地で『アーバン・ベア』と呼ばれる都市型クマの出没が増えているワケとは?

岩手県では、銃を持ったハンターや警察官が29日、住宅街をパトロール。厳戒態勢が敷かれています。住宅のすぐ近くで連日クマが目撃されています。

警戒にあたっていた猟友会の会長が27日、クマを撮影しました。その時の映像です。茂みの奥から現れたクマ。

花巻市猟友会 藤沼弘文会長
「行け、帰れ。ほら帰りなさい」

クマが現れたのは、岩手県花巻市。新幹線の駅から車で30分ほどの住宅地です。近くには温泉街もあります。

花巻市猟友会 藤沼弘文会長
「帰りなさい。帰れ帰れ、行け行け、帰れ」

クマは1頭だけでなく、あわせて3頭。親子のクマと見られます。
子グマ2頭が草を食べている後ろで、母グマは警戒しているのでしょうか?立ち上がり、辺りを伺っているようにみえます。

花巻市猟友会 藤沼弘文会長
「人を襲った個体は駆除するが、あとの個体は放獣。逃がしている」

先月にも、ゴミ集積所にクマが侵入。盾を構えた警察官や猟友会が追い払いの対応に当たっていました。市街地に現れては追い払う、いたちごっこが続いています。

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■アーバン・ベア急増 「繁殖期」ならではの危険も

■アーバン・ベア急増 「繁殖期」ならではの危険も

花巻市では、街の中心地である市役所近くの市街地でも、クマが度々目撃されています。自宅で4日連続、親子のクマを目撃した住民がいました。

自宅で4日連続クマを目撃した住民
「最初は正面の木、あの木の周辺にいた。そこから、どんどんミズバショウをむしゃむしゃ食べていた。この辺まで来た」

自宅の裏にクマが最初に現れたのは、5日前の24日。子グマはミズバショウを食べているようです。

25日にも、親子のクマが再び現れます。

さらにその翌日、26日にもまた同じ場所に。

すぐ近くに住宅があるにも関わらず、2頭の子グマは草を食べ続けています。そして、27日も現れ、4日連続に。住宅地では不安が広がっています。

自宅で4日連続クマを目撃した住民
「この通路になっているところまで来ていると思う。隣が高齢者なので『怖い』と言っていた」

この時期、親子のクマが市街地に現れる意外なワケが。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
「6月、7月になるとクマが繁殖する時期。オスが非常に動きを活発化して、それに伴ってメスも結構、行動域が広くなる。小さい子グマを連れていると基本的にはメスは発情しない。その時にオスと遭遇すると、オスが子グマを殺してしまう『子殺し』という行動がみられるのがわかっている」 「親子がオスから逃げるために、わざとオスグマが近寄らない集落周辺に居つく行動がみられる。林の近くを散歩する、ジョギングする時は、クマが出る場所であれば撃退スプレーを携帯していざという時に対応してもらいたい」

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