生徒の9割が外国籍となっている夜間中学校の入学式が、8日、大阪府泉佐野市で行われました。

泉佐野市が市立佐野中学校の校舎に新たに開設した「夜間中学」。夜間中学は、義務教育を受けることができなかった人なら、誰でも無料で通えるのですが、近年増えているのが、外国籍の生徒です。

外国籍の生徒の割合は、全国平均で66.7パーセント。この学校では、平均を大きく上回る9割が外国籍で、フィリピンやネパール、中国など、出身国は多岐にわたります。

【中国出身の生徒(41)】「今の仕事はタクシーの会社で事務です。日本語下手です。日本語勉強したいんです」

なぜ泉佐野市で新たに夜間中学が設置されたのか。背景には、世界各国の人が行きかう関西空港に近く、外国人の居住者が近年増えていることがあります。

■基本的な会話から日本語を学びたいというニーズにこたえるコースもあり

関西空港にほど近いりんくうタウンにある「オディシススイーツ大阪エアポートホテル」。このホテルでは、裏方の清掃業務のほか、宿泊客と接する機会の多いフロントでも、外国人スタッフが働いています。

【インドネシア出身のスタッフ】「日本語はもちろん、自分の国のインドネシア語ももちろん、中国語と、中国のいくつかの方言ができる。(Q英語も?)はい」

【オディシススイーツ大阪エアポートホテル 兎田谷誠一さん】「(泉佐野市は)関西空港の対岸にある場所になりますので、お手頃なマンションですとか、住みやすい環境も整っていると思いますので、こちらでお住まいしていただいて、勤め先もこのあたりで見つけるっていうのは、たぶん住みやすいんじゃないかと思います」

とはいえ、外国人スタッフも、日本語が堪能な人ばかりではないのが実情。この夜間中学でも、昼間は関西空港で清掃などの仕事をしている外国籍の生徒が複数いますが、日本語がうまく話せず、基本的な会話から学びたいというニーズがあるといいます。

そこで学校では、教師とは別に、日本語学習の支援員を配置。週20時間の授業のうち、10時間を日本語学習にあてるコースもあります。

【泉佐野市立佐野中学校夜間学級 竹田隆教頭】「例えば、カレンダーの『1日』とか『2日』の読み方であるとか、今何時?って聞かれたときの何時かって答える(方法など)。(日本で)生きるためにどうするかっていう勉強することをしています」

夜間中学はいま、「日本語学校」としての役割を担っています。

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