魚の世界でも、仕事をサボると「“罰”を受ける」ことが、大阪公立大学の研究で分かりました。

■魚も人と同じように「罰」を受ける?

4月に発表されたのは、魚に関する、あるユニークな研究についてです。その内容は…。

【大阪公立大学 大学院 安房田智司教授】「魚も人と同じようにさぼると罰を受けるということが分かりました」

一体、どういうことなのか…。研究を行ったのは、大阪公立大学大学院、安房田教授たちのチーム。

実験では、水槽の中に「親子」の魚と、なわばりで一緒に暮らし子育てを手伝う「ヘルパー」、そしてなわばりを侵してくる「侵入者」を入れました。

まずは、「ヘルパー」を別の水槽に隔離して「サボっている」という状態に。

親に「あれ?ヘルパーどこ?」と、思わせたところで…水槽に「侵入者」を投入!

親だけで侵入者を対応しないといけない状態で、2時間放置しました。

その後「ヘルパー」を水槽に戻すと…。

「親」は「侵入者」を攻撃し、その後に…なんと仲間であるはずの「ヘルパー」にも攻撃!

「仕事しろよ!」と、罰を与えたということです。

【大阪公立大学 大学院 安房田 智司教授】「魚類の社会は人の社会よりも厳しい、生きるか死ぬかの世界なので。手伝ってほしいのに『何でいなかったんや』と」

■罰を受けた魚に「ある行動の変化」が

さらに、罰を受けた「ヘルパー」役の魚に“ある行動の変化”が起きることも判明しました。

【大阪公立大学 大学院 安房田 智司教授】「このピンクがよく怒られた個体」
「より怒られた個体っていうのは、よりヘルプ(する時間)を増やしているということになる」

つまり、罰を受けた「ヘルパー」は、その後、通常よりもよく働くようになったというのです。

【大阪公立大学 大学院 安房田 智司教授】「『これだけ怒られたら働かないと』って。かなり怒ってる!ってことですよね」

安房田教授は、魚の世界でも社会の秩序を保つために罰が有効活用されていると分かった一方で、「サボる」文化も存在しているのでは、と話します。

【大阪公立大学 大学院 安房田 智司教授】「状況に応じてヘルパーも今サボったらまずいのかとか、サボった後に手伝いしないとマズいのかとか、サボっても大丈夫とか、臨機応変に対応しているんじゃないかと思っていまして、今後、それを見ていきたい」

人も魚も、時には「サボる」ことも大事ですが、「罰」は受けないようにしたいものですね。

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