(ブルームバーグ):石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」は、近く供給過剰に陥る兆しが表れているにもかかわらず、年終盤から生産回復を徐々に始める計画を維持した。

OPECプラスが2日、オンラインで開催した合同閣僚監視委員会(JMMC)終了後に発表した声明は、これまでと変更が全くなかった。引き続き12月から毎月、日量18万バレルずつ生産を引き上げる計画だ。OPECプラスは市場のセンチメントが弱いことを理由に、この生産増加を当初の予定から2カ月遅らせていた。

原油相場はOPEC加盟国でもあるイランがイスラエルを攻撃して以降の2日間で5%余り上昇した。だが、1バレル=75ドル前後でも7月に比べると14%程度低い。中国の弱い需要や米大陸からの供給増加にトレーダーが注目しているためだ。

最近の原油安は、数年にわたる価格高騰に苦しんだ消費者や利下げにかじを切った中央銀行には歓迎だが、OPECプラス諸国の財政には打撃となる。

サウジアラビアは今週、成長予測を下方修正し、従来の予想よりも財政赤字が膨らむ見通しを明らかにした。ロシアもウクライナ侵略戦争の財源をエネルギー収入に依存している。

匿名を要請した関係者によると、2日のJMMCは合意した減産を果たしていないイラク、カザフスタン、ロシアに議論が集中した。3カ国は合意への「強いコミットメントをあらためて表明」したものの、大半は割り当てを上回る生産を続け、違反の代償である追加減産にもまだ着手していないという。

原題:OPEC+ Makes No Changes to Plans For Reviving Oil Production(抜粋)

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