(ブルームバーグ):3日の債券相場は下落が予想される。米国でADP民間雇用者数が予想以上に増加したことを受けて、長期金利が上昇した流れを引き継ぐ。この日行われる10年国債入札は無難に消化されるとの声が出ている。
石破茂首相は2日、日本銀行の植田和男総裁との会談後、現在、追加の利上げをするような環境だとは思っていないと述べた。この発言を受けて長期国債先物は夜間取引で買われたが、米雇用者数の発表後に下落に転じた。
米ADP民間雇用者数、予想上回る増加-5カ月連続減速から反転 (2)
「現在、追加利上げするような環境にない」と石破首相-日銀と連携確認
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、債券相場は安く始まった後、入札結果が無難に終われば切り返すと予想する。10年債入札は利回り水準の低さはやや心配だが、期初の買いと石破首相の発言を受けた利上げ観測の後退により、「いったん買っておこうかという需要はあるだろう」とみている。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.815~0.835%(2日は0.815%で終了)、先物中心限月12月物は144円83銭~145円05銭(同145円05銭)。
先物夜間取引で12月物は2日の日中取引終値比12銭安の144円93銭で終えた。
雇用者数の増加を受け、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での大幅利下げ観測が後退。米10年債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.8%を上回った。
10年債入札
- 発行予定額は前回と同じ2兆6000億円程度
- SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジスト
- 期初の買いに支えられて無難な結果を予想する
- 前回入札以降、米10年金利が反発している中で日本の10年金利は低下
- 当面は利上げリスクが小さい中、目線を切り下げて買っている投資家が増えている可能性
- 備考:10年利付国債の過去の入札結果(表)
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