“値上げの10月”。食品や薬の値上げだけでなく、賃金などお金にまつわるいろいろな変化があるようです。

「平均以下であれば労働力は流出する」 引き上げ額トップは徳島県

井上貴博キャスター:
10月から最低賃金は全国平均で51円上がります。改定前が1004円、10月からは全国の加重平均で1055円になります。

都道府県別で、最も高いのは東京都で1163円(50円アップ)、2位は神奈川県で1162円(50円アップ)、最も低いのは秋田県で951円(54円アップ)となります。

そんななか注目されている自治体があります。引き上げ額としてはトップとなる徳島県です。

改定前は896円で、全国ワースト2位タイとなっていました。11月からは980円(84円アップ)となり、全国27位タイです。

周辺の改定前の最低賃金は、大阪府が1064円、兵庫県が1001円、香川県が918円、高知県が897円でした。

徳島県 後藤田正純 知事(8月9日の定例会見)
「平均以下であれば労働力は流出する。少なくとも平均に近い形での妥結をお願いしたい」

少し背伸びしたとしても上げていかないと、人材が全然集まらない、人手不足が加速しているということが見えてきます。

「味は変えず美味しい物を」 最低賃金50円引き上げで値上げも

井上キャスター:
一方、山梨県甲府市の洋菓子店「ベベナチュール」では、バター、チョコレート、卵など、材料費が高騰しているといいます。

そんななか、山梨県の最低賃金は50円引き上げとなります。それに伴い人件費もアップ。

これらの理由が重なり、10月から一部商品を10円から20円値上げするそうです。

ベベナチュール パティシエ
「少し値上げをすることになるが、味は変えず美味しい物を提供したい」

産婦人科医 宋美玄さん:
値段が上がると値上げとわかりますが、今まで量を減らされて、同じ値段で買えるものが少なくなってきたこともあります。やはり高いお金を出さないと買えないようにしないと、デフレから脱却できないのかなと思います。

最低賃金が上がるのはいいことだと思いますが、都心でクリニックをやっていて、いろんな業種の人に来てもらっているけど、インバウンドなどで時給が高いです。もう最低賃金でも人が来てくれないので、結構払っています。

そういう意味ではどんどん物価も上がるし、給料も上がるサイクルに入っていっているのかなという実感はあります。

ホラン千秋キャスター:
よりいい人材に来てもらうために、それなりに出さないと、ということですよね。

井上キャスター:
賃金が上がっていても、社会保険料も上がっています。「手取りが全然増えてないじゃないか」という声もあって、そこは政府にわかっていただきたいですね。

産婦人科医 宋美玄さん:
企業がたくさん支払っているのに、社会保険料が引かれて、手取りはそんなに上がらない。企業が半分払っているのですが、それも見えないですよね。高いので、そこも何とか切り込んでほしいです。

月2万5000円→7万円 児童手当が大幅拡充 高校生年代も支給対象

井上キャスター:
子育て世代の皆さんにも影響があります。児童手当が大幅に拡充されます。

所得制限が撤廃されます。

また、支給年代が拡大されます。これまでは中学生以下が対象でしたが、高校生年代まで拡大となります。

そして、第3子以降の支給額が上がります。3万円に増額します。政府の考え方としては、3人以上の子どものいる世帯が極めて少ないので、子どもの多い世帯の支援を増やす方策だそうです。

【子どもが4人の場合】※10月から
・第1子 大学生:支給なし(1人目のカウントあり)
・第2子 高校生:1万円
・第3子 中学生:3万円
・第4子 小学生:3万円
→計7万円/月

これまで中学生以下が支給の対象で、第1子の大学生は“子ども”とカウントされていませんでした。第2子の高校生は1人目にカウントされますが、支給はありませんでした。第3子の中学生は2人目とカウントされ、1万円が支給されました。第4子の小学生は3人目とカウントされ、1万5000円が支給されました。合計は月に2万5000円でした。

各市区町村に申請してください。

ホランキャスター:
お子さんが4人いる家庭は大変少ないと思いますが、子育て世代からするとこういった手当が出るとありがたいですか。

産婦人科医 宋美玄さん:
うちは子どもが2人いるので、3人目以降はたくさんもらえるのは全然当てはまりませんが、所得に関係なくもらえるようになるのはいいことかなと思います。

一方で、児童手当のために年少者の所得控除をなくしたままになっていて、配偶者には控除があるのに、これはおかしいです。

高校生には支給するので、高校生への所得控除も縮小、もしくはなくすという話も出ていて、なくさないでほしいと思います。

少子化が進んでいるので、それくらいはやってほしいと思います。

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<プロフィール>

宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気

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