(ブルームバーグ):10月第1週(9月30日-10月4日)の債券市場では長期金利の上昇(価格下落)が予想される。自民党総裁選挙の決選投票で、金融正常化や財政再建に前向きな石破茂元幹事長が日本銀行の利上げに批判的な高市早苗経済安全保障担当相に勝利した。円安・株高・金利低下の「高市トレード」を巻き戻す流れが続くとの見方が出ている。
市場参加者の見方
◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト
- 「高市トレード」の巻き戻しで短期から長期にかけて利回りが反発し、超長期金利もどこまで上昇するか。石破氏は財政再建派で、超長期金利はあまり変わらない可能性もある
- 石破氏は日銀の追加利上げにあまり口出ししないと予想され、利回り曲線はベアフラット(平たん)化するだろう。利回り水準が戻ってくれば、2年債や10年債の入札も無難にこなせるのではないか
- 一方、米国の長期金利は低下すると予想され、円債相場にはニュートラルからややフォローか。米雇用統計も控え、過度な金利上昇は抑えられるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.83-0.89%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 年度下半期に入って投資家の動きは徐々に活発化するが、新政権の経済政策を見極める必要。米雇用統計も控え、動きが本格化するのはもう少し先か
- 利回り水準の低下で2年債と10年債の入札は警戒されるが、期初の需要で無難に消化できるのではないか
- 日銀の国債買い入れ予定は残存1-3年オペと3-5年オペをそれぞれ月1000億円減、5-10年オペは月2000億円減と予想し、利回り低下を抑える要因
- 世界経済の減速懸念から利回りの大幅上昇は見込みづらい一方、将来的な日銀の追加利上げ観測が利回り低下を抑えるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.79-0.88%
国債入札
主な材料
- 30日:日銀、10-12月の国債買い入れ予定
- 30日:パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、講演
- 1日:日銀の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)
- 1日:9月の日銀金融政策決定会合の主な意見
- 1日:8月の米求人件数と9月の米ISM製造業景況指数
- 3日:日銀の野口旭審議委員、講演・会見
- 3日:9月の米サービス業PMIと米ISM非製造業総合景況指数
- 4日:9月の米雇用統計
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