(ブルームバーグ):中国の大規模な景気刺激策は、米国以外の株式や新興国市場、コモディティー(商品)への幅広いローテーションを促進する可能性がある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらが分析した。

BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏率いるチームが、27日に発表したリポートで「工業用金属、素材、米国以外の株式といった人気のないコモディティーは、最も幅広いローテーションの対象となる」と述べた。分析は、中国政府が発表した措置で、中国の10年債利回りの新たな下限が2%に維持されるという条件に基づく。

リポートでは、景気刺激策が、中国の国内総生産(GDP)の3%以上にあたる総額5600億ドル(約80兆円)に達する可能性があるとした。一方で、投資家のコモディティーへの配分比率は2017年6月以来最低となっている。中国株式は米国株と比較して50年ぶりの低水準に近く、中国の不動産株は世界金融危機時に見られた水準にある。

 

中国人民銀行(中央銀行)は24日、市中銀行の預金準備率を引き下げるとともに、主要政策金利の引き下げも発表した。中国政府の指導部は、財政支出を支援し、苦境に立たされている不動産部門を安定させることを打ち出し、成長回復に向けた取り組みを強化した。

こうした対策を受け、中国本土と香港市場の株価は急騰した。本土株の指標CSI300指数は27日に4.5%上昇し、今週の上昇率は2008年以来で最大の16%となった。中国経済の影響を受けるその他の資産も上昇し、鉄鉱石などのコモディティーや、中国需要に大きく依存する欧州の鉱業株、高級品株も上昇した。

原題:BofA’s Hartnett Sees International Stocks Among Best China Plays(抜粋)

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