(ブルームバーグ):米金融当局は17、18両日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)会合で主要政策金利を0.25ポイント引き下げた後、11月と12月の会合でも0.25ポイントずつの利下げを行う公算が大きい。ブルームバーグ・ニュースがエコノミストを対象に実施した最新調査では、このような予想が示された。

投資家の見方も今月のFOMC会合での0.25ポイント利下げの可能性で集約しつつある。ただ、トレーダーが年内に計1ポイントの利下げを見込んでいるのに対し、ブルームバーグが調査したエコノミスト46人の過半数は一段と漸進的な利下げペースを予想していることが示された形だ。

 

6-11日に行われた調査で、11月6、7両日もしくは12月17、18両日のFOMC会合で通常より大きめの0.5ポイントの利下げを予想したエコノミストはほんのわずかだった。

それでも、18日の会合後に公表される最新の四半期経済予測では、今後数年について6月の前回予測よりも積極的な利下げの道筋が示されると、エコノミストは回答した。具体的には、現在5.25-5.5%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジが、2025年末までに中央値で3.5-3.75%、26年末までに2.75-3%に引き下げられるとの見通しが示されると予想されている。

BMOキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は米金融当局について、「利下げに踏み切った上で、先行きの会合で一連の追加利下げを行う可能性も示唆し、金融政策の景気抑制の度合いを緩めるものと見込まれる」と語った。

失業率上昇

一段と急ピッチの利下げの予想は、過去1年間に見られたような非農業部門雇用者数の伸び鈍化や失業率上昇を巡る懸念の拡大と合致する。インフレ率が2%の当局目標に完全に回帰する前であっても、労働市場の冷え込みは現時点での政策正常化開始への論拠を支える。

エコノミストは、当局者の今年の失業率見通しが中央値で4.3%と、6月時点の4%から上方修正されると予想。また、失業率のリスクは主に上振れ方向にあるとみるエコノミストは80%に上った。

労働市場を巡る懸念が深まる状況にあっても、エコノミストの4分の3余りは向こう1年間の米景気拡大持続の公算が大きいとの見方を示した。

実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは据え置かれるとエコノミストは予想する一方、個人消費支出(PCE)総合価格指数と、変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数の見通しは小幅の下方修正となると見込まれている。インフレリスクが上振れと下振れのいずれの方向にあるかは、回答者の見解がまちまちだった。

 

漸進的なペース 

当局者の一部が望ましい利下げペースについて説明するのに用いる「gradual(漸進的)」という単語も、人によって解釈が異なる。調査に回答したエコノミストの半分余りは、毎回のFOMC会合での0.25ポイント利下げを意味すると捉えたのに対し、27%は1回おきの引き下げの意味だと答えた。なお、新たな利下げサイクルの下、中央値で3%まで金利が引き下げられるとの見通しが示された。

政策決定について金融当局がどう意思疎通を図るかでも、エコノミストの意見は分かれた。エコノミストの過半数は、当局がFOMC声明を一層ハト派的なものに変更し、雇用への懸念をさらに強調するとみているものの、将来の動きに関して実際にどうシグナルを発するかは、コンセンサスに乏しい。

原題:Fed to Pursue Three Quarter-Point Cuts This Year, Economists Say(抜粋)

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