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 千葉県にある道の駅。今、一部で品薄となっているコメを求める客で、オープン前から行列ができているという。東京や埼玉から2時間かけて買いに来た人もいた。

■「2時間かけて」新米求めて県境越え

新米が並ぶ棚 この記事の写真

 農家が直接コメを持ち込む「道の駅」には、新米を求め、客が殺到していた。

 千葉県にある道の駅「多古あじさい館」でも、開店前から続々と新米が棚に積まれていく。契約する20軒以上の農家から5キロ入りや10キロ入りの新米がおよそ100袋、並んだ。

 価格は5キロで3000円。去年より200円ほど値上がりしているという。

 それでも、東京や埼玉などからわざわざ越境してコメを買いに来る客もいる。

越境してコメを買いに来た客 埼玉・所沢市からの客
「(Q.きょうはどちらから来ました?)埼玉県所沢市から来ました」
「(近所のスーパー)4軒ぐらい回ってます」
「(Q.実際4軒見てどうでした?)そこはなかった」 東京・大田区からの客
「ここの(コメ)がおいしいって聞いたんで、2時間弱ぐらい(かけて来た)」
「もう本当に2回分ぐらいしか(コメが)残ってなかったので」
「(Q.コメを買えて今の心境は?)良かったなって」

 家には2回分のおコメしか残っておらず、東京からわざわざ千葉まで買いに。おコメを手に、安堵(あんど)の表情を浮かべる。

東京・葛飾区からの客
「(Q.東京ではおコメは周りにないですか?)東京のスーパーや生協の店に行っても、全然こんなふうには並んでいない」

 コメ売り場には客が途切れることなく、次々とやってきては新米を購入。朝、100袋もあったコメは、昼すぎには在庫が残りわずか。

補充の電話をする渡邊店長 道の駅「多古あじさい館」 渡邊浩一店長
「きょうって補充あります?2回目。精米もしくは玄米。ありがとうございます。お願いします」
「(Q.今どういった電話なんですか?)これから納品可能な(農家の)方をピックアップして、電話して(コメを)持ってこられるんであれば、すぐ持ってくるし持ってこられないよってなれば、また違う方に」

 午後3時、連絡した農家が到着し、無事、売り切れる前にコメを補充することができた。

「今年は異常な売れ行き」と話す渡邊店長 渡邊店長
「今年は異常な売れ行きということで気が付いたら(棚から)なくなっている。お客様によっては一人で5袋10袋買う人がおりますので」

 新米が出回り始め、「多古あじさい館」では、コメ不足は解消されつつあった。

 一方で、コメを買えず何軒もの店を回る客もまだまだ多い。

品薄状態のコメ 愛知県に住む男性
「コメを購入するために何店舗か回ったんですけども、どこのスーパーの方にも一つも置いていない状況で。ちょっとびっくりしました」

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■直販農家 注文殺到で困惑「稲刈りできない」

■直販農家 注文殺到で困惑「稲刈りできない」

 どうにかコメを手に入れようと、今、客からの注文が殺到している場所があった。

 電話対応に追われていたのは、コメの直売を行っている農家だ。

「客からの問い合わせが多い」と話す浅野代表 浅野ファーム 浅野浩代表
「お客さんからもおコメありますか?とか、そういうのが多くなって」 問い合わせが一日1000件を超える日も

 去年は多い日で一日10件ほどだった問い合わせが、今年は一日1000件を超える日も。新米の稲刈り作業があるなか、電話やメールの対応に追われているという。

浅野代表
「正直言うと、こんなに(問い合わせ)来るの?って驚いちゃって。今年はもうしっちゃかめっちゃか」

 あまりの問い合わせの多さに戸惑う農家。少しでも出せるコメは出したいのだが、支障も出始めている。

今月6日からホームページを一時停止に 浅野代表
「稲刈りをやりながら問い合わせの電話とかメールが来るので、作業をストップしながらやってたので時間かかっちゃいますよね。今月6日からホームページの方を一時停止させていただいてます。(こういう状況は)初めてのケース」

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■沖縄 観光客が県外へ 5キロ持ち帰りも

■沖縄 観光客が県外へ 5キロ持ち帰りも

 一方、沖縄のスーパーには、北海道産のブランド米「ゆめぴりか」に、岩手県産の「ひとめぼれ」、新潟・魚沼産の「コシヒカリ」など全国のブランド米が山積みされていた。

令和5年産のコメが並ぶ ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」 中村一陽店長
「今、並んでいるのは令和5年産。新米はまだ入荷していない」

 新米の入荷はまだだが、去年のコメの在庫が十分あるという。

詰まれた去年のコメ

 沖縄では、お盆の時期にコメをお供え物にしたり親戚に配るという風習があるため、たくさんの在庫を確保していたのだ。

 そんな沖縄で、ある現象が起きていた。

島袋副店長「県外に郵送するお客様が増えてきた」 あがりはま市場 島袋寛大副店長
「県外に郵送するお客様っていうのは増えてきたと思います。県外にいるご家族とかに送っているのではないかなと思いますね。都心に送っている方が多いんじゃないかなと思います」

 さらに、「大阪から来た人は、手荷物でコメ袋を持ち帰った」という驚きの行動を取る観光客もいた。

5キロのおコメを抱えて持ち帰った観光客

 大阪から石垣島を訪れた観光客が、なんと1500キロもの距離を、5キロのおコメを抱え、持ち帰ったという。

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■コシヒカリ ゲリラ雷雨で打撃 等級検査は

■コシヒカリ ゲリラ雷雨で打撃 等級検査は

 一方、新潟県十日町市。コシヒカリの田んぼに行くと、ある異変が。

倒れる稲 花水農産 会長
宮内賢一さん

「(Q.全部倒れてしまっていますけど、これコシヒカリ?)そう、コシヒカリです。今年は全部こうですよ。うちは8割ぐらいが皆こうなっちゃった」

 宮内さんの田んぼ80ヘクタールがある十日町市では、先月ゲリラ雷雨が発生。収穫前のコシヒカリの稲がほとんど倒れてしまった。

宮内さん
「(Q.完全に土にもうついちゃってる。こうなると実はどうなるんですか?)これ以上、実がつかない」
「(Q.(例年より)小さくなるってこと?)そうそうそう。それ以上、太らないんですよ」

 倒れてしまった稲は栄養を吸収することができず、例年のコメに比べ、粒が小ぶりに。放置しておけば傷みも進むため、1週間前倒しで収穫を始めた。

例年より粒が小さくなったコメ 宮内さん
「(Q.普段見るコメの粒より小さい)(今年は小さいコメが)平年の3倍ぐらいあります。ここが全部ダメなコメ。裏にもありますよ」

 倉庫の隅には、大きさが足りず、はじかれてしまったコメが山積みに。

大きさが足りず、はじかれてしまったコメ 宮内さん
「(Q.どんな使われ方するんですか?)(家畜の)餌(えさ)米にもなりますよ」

 コメ不足解消に向け、順調に育っていた新米。

 心配されるのは、コメの品質を評価する“等級”だ。形や色など、見た目が検査され、最も高い評価を受けると「1等米」になる。

猛暑の影響でコメが白濁に

 去年は、猛暑の影響でコメが白濁してしまい、ほとんどが2等米以下だったという宮内さん。今年初めての検査に向け、不安を漏らす。

宮内さん
「(小さいコメが多い時は)2等(米)が多いですよ」
「(Q.今年の不安は?)(2等米)になるかもしれない。心配ですね。ちょっと出過ぎですよね。これ(小さいコメ)がね」

 検査を不安そうに見つめる宮内さん。果たして結果は…。

笑顔の宮内さん 宮内さん
「オッケー、1等(米)だってさ。1年ぶりの1等(米)だからね。ホッとしますよね、ホッとします」

 しかし、小粒なコメも多く、全体の収量は少なくなってしまうという。

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■新米入荷も需要先食い!?「来春以降が心配」

■新米入荷も需要先食い!?「来春以降が心配」

 新潟県米を取り扱う卸売業者「こしじ販売」では、6日、ようやく新米が入荷。精米作業に追われていた。

株式会社「こしじ販売」浅香大介さん 株式会社「こしじ販売」 浅香大介さん
「(先週金曜日)11トンあった時はこの辺りまでですね」 入荷した新米11トン→残り7トン

 新米は11トン入荷したというが、週末には4トン分がなくなり残り7トンに。さらに10日は。

浅香さん
「3トンの新米しか残ってない状況です。1週間かからないでなくなります。すごい早さです」

 11日、新たに新米が届くというが、しばらく自転車操業が続くという。

 徐々に新米は出回り始めたが、あまりの売れ行きの早さに懸念を抱く声も。

懸念を抱く渡邊店長 渡邊店長
「農家さんが持ってる量が前倒しで早くなっていますので、(来年の)春以降ですね、在庫のおコメがどのくらい残るかちょっと心配ですね」 コメ農家
「(今、売れすぎていて)この先、大丈夫かなっていう心配もありますけどね」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年9月11日放送分より)

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