(ブルームバーグ):世界の債券利回りは今週、2年ぶりの低水準に低下した。主要国の成長減速懸念や、利下げ観測の高まりが背景にある。

ブルームバーグ・グローバル・アグリゲート・トータル・リターン指数によると、投資適格級の国債と社債の指標の平均利回りは10日に3.3%と、2022年9月以来の低水準となった。今週は原油相場が下落し、中国のデフレ懸念が強まったことで、世界の成長見通しに対するセンチメントが一段と悪化した。

 

TDセキュリティーズのアジア太平洋地域シニア金利ストラテジスト、プラシャント・ニューナハ氏(シンガポール在勤)は「中国に加え今や米経済もリセッション(景気後退)入りしかねないとの懸念が、こうした世界の債券利回り低下を招いている」とし、「原油価格の急落も、世界の経済活動が急減速しているという議論に拍車をかけている」と指摘した。

トレーダーは米金融当局が今後数カ月でどの程度利下げするか見極めるため、11日の米消費者物価指数(CPI)発表を待っている。他の中央銀行は既に金融緩和を始めており、市場は欧州中央銀行(ECB)が12日に再び政策金利を引き下げ、失速しつつある成長の下支えに動くと予想している。

原題:Global Bond Yields Drop to Two-Year Low as Slowdown Fears Grow(抜粋)

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