(ブルームバーグ):11日の債券相場は上昇。前日の米国長期金利が低下したことや、日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果を受けて買いが優勢となっている。日本銀行の中川順子審議委員の発言を受けて為替市場で円高が進んだことも買いにつながっている。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、日銀オペ結果は残存1年超3年以下、3年超5年以下の落札金利が低かったとし、「5年債利回りが0.5%を下回るなど相場は強いという印象だ」と述べた。「米金利低下や大統領選挙のテレビ討論会を受けてドルが下がり、株安となったことで債券が買われた」との見方も示した。

ハリス氏が鋭い攻撃、トランプ氏は何度も守勢に-米大統領選討論会

日銀は午前の金融調節で定例の国債買い入れオペを通知。対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、25年超。買い入れ額はいずれも前回オペから据え置いた。オペ結果によると、残存1年超3年以下、3年超5年以下の応札倍率が低下し、需給改善を示した。

日銀:国債買い切りオペ一覧 (表)

日銀の中川審議委員は11日、秋田県金融経済懇談会で講演し、日銀の経済・物価の見通しが実現していけば、緩和度合いを調整していくとの見解を示した。これを受けて円相場は対ドルで一時前日比1.1%高の140円91銭と、1月2日以来の高値を更新した。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、中川審議委員の発言を受けた円の上昇で「日銀の利上げ期待が後退するといった連想で買いの勢いがやや付いたのではないか」との見方を示した。米金利低下バイアスがかかっており、先物中心に買いが入りやすいとも述べた。

見通しが実現していけば、緩和度合いを調整していく-中川日銀委員

 

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