(ブルームバーグ):一部の株価指数運営会社は、一握りの銘柄が指数に極端な影響を与えるようになっていることに対処するため指数に大幅な変更を加えることを検討しているが、ゴールドマン・サックス・グループはこれについて慎重を促した。

アップルやマイクロソフトのような巨大株の影響を制限するために、指数のメソドロジーを調整する計画が何社かの指数提供会社で進行している。一部の指標ではこうした銘柄のウエートが、分散を目的とした規制の制限に抵触していることが背景にある。これは優れた目標ではあるが、ゴールドマンのストラテジスト、デービッド・コスティン氏は、数十兆ドルの資金がベンチマークとしている指数の変更には慎重に取り組むべきだと主張する。

ゴールドマンはFTSEラッセルに言及した。ラッセルは、バリューやグロースといったカテゴリーを追跡する指標において、超大型株の影響を制限することを検討している。しかし、ラッセルはすでに集中し過ぎのリスクを警戒する株式ファンド向けに、上限を設けた代替バージョンの指数を提供しているため、変更の必要はないかもしれないとコスティン氏は述べた。

「指数提供会社は今後も上限付きバージョンの指数を作成し、維持していくべきだ。ファンドは規制の閾値(しきいち)に抵触しないよう、これらの上限付き指数をベンチマークとして使用することができる」と同氏は語った

コスティン氏によれば、超大型株の影響を縮小するために指数を作り直そうという動きは、特にベンチマークを上回るリターンを得ることを使命とするファンドマネジャーの立場からすれば理解できる。規制の制限を順守しなければならないだけでなく、ファンドマネジャーは3、4銘柄が事実上、上昇率のすべてを占めるような指数についていくのに苦労してきた。そのような銘柄を保有できなければ必然的に後れを取ることになるからだ。

ラッセルは先月、標準的な指数で特定の銘柄のウエートに上限を適用するかどうかについて市場参加者と協議を行った。特にラッセル1000グロース指数(RLG)のリターンについて頭を悩ませている一部のファンド顧客からの要望がこの提案の根底にあると説明した。

ラッセルは10日の電子メールで、諮問委員会がフィードバックを検討し、その結果を9月末までに指数ガバナンス委員会に提示する予定だと述べた。標準的なスタイルの指数でウエート上限を設けることが決定された場合、市場セグメントを完全に反映した上限なしの指数を引き続き発表する予定だという。

コスティン氏は、RLGのような指数にウエート制限を適用することは、すでに上限を設けたバージョンが存在する場合、特に意味がないとの考えを示した。

「時価総額で加重される指数では上限を設けるべきではなく、指数提供会社はベンチマークとして利用できる上限を設けた指数を別途提供すべきだと思う。上限を設けるということは、指数が特定の銘柄の相対的なパフォーマンスを正確に表さなくなることを意味する」と同氏は述べた。

原題:Goldman’s Kostin Urges Putting Brake on Stock-Index Reshufflings(抜粋)

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