台風5号の影響で閉鎖していた岩手県岩泉町の龍泉洞が、8月25日に営業を再開させました。
2016年の台風災害がきっかけで町で働くことになった女性が、自身の強みをいかして復活した龍泉洞を支えています。

岩泉町にある日本三大鍾乳洞の一つ龍泉洞は、13日間の閉鎖を経て25日に営業を再開しました。

龍泉洞は台風5号の大雨の影響で地下水があふれ冠水するなどの被害がありました。

繁忙期のお盆期間は約3万5000人の観光客を見込んでいましたが、台風が県内を通過した8月12日から閉鎖となっていました。

その後は復旧作業が急ピッチで進、冠水も解消され安全が確保できたことから、予定よりも数日前倒しで洞窟に入ることができるようになったのです。

平日にも関わらず26日も多くの観光客が訪れていました。

横浜からきた夫婦
「観光施設としてこれからやっていけるのか心配だった」
「今その話を聞いて『そういえばそうだったんだ』と。通常と変わらない形に戻してくれたんだと思った」

そして営業再開を待ち望んだ人がもう1人います。龍泉洞事務所に勤務する中国籍の周由希さん(30)、町の任期付き職員です。

龍泉洞事務所 周由希さん
「地底湖とかきれいな場所を見られる機会が戻ってきて興奮している状態」

2015年2月、アメリカの大学に在学していた周さんはインターンシップで訪れた岩泉町で1カ月間龍泉洞事務所で広報などを担当。その後はニューヨークの会社で働いていました。

しかし2016年8月に台風10号が町に甚大な被害を及ぼし、龍泉洞が半年もの間閉鎖を余儀なくされていると知り町に戻ることを決心したといいます。

龍泉洞事務所 周由希さん
「自分に何かできることがあればボランティアでもいいので(岩泉町に)できれば行きたいという気持ちがあった」

そして2017年に町で働き始めてからは英語やスペイン語など5カ国語をあやつり外国人観光客の対応にあたってきた周さん。

26日も自身の強みをいかしフランスから来た観光客に見どころを案内するなどして復活したばかりの龍泉洞に貢献していました。

龍泉洞事務所 周由希さん
「洞窟内を見て『素晴らしい』と言ってくれるとうれしい。龍泉洞をこれからも盛り上げたいと思っている」

自然災害から何度でも立ち上がる龍泉洞、その力強さに魅せられた女性が町の観光を支えています。

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