(ブルームバーグ):2日の取引で、米国債が急騰。7月の米雇用統計は雇用創出の弱さを示し、連邦準備制度が年内に大幅な利下げに踏み切るとの見方をトレーダーらは強めた。

金利の動きに敏感な2年債利回りは一時31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.84%となり、1年余りで最低の水準。全年限で利回り低下幅は12bpを超え、指標の10年債利回りは3.79%まで下がった。

市場はいまや、年内残り3回の連邦公開市場委員会(FOMC)で4回分の0.25ポイント利下げがあると見込む。つまり、このうち1回は0.5ポイントの利下げになると示唆している。米国債がこのまま上げて引ければ、7日続伸となる。

ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクター、トニー・ファレン氏は「連邦準備制度の利下げは遅過ぎると市場は考え始めている」と述べた。

米金利期待の急速な修正は、7月31日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が行った発言がきっかけだった。議長はインフレ抑制の進展に滞りがない限り、9月に利下げする方向にあることを示唆した。

さらに、1日発表の米新規失業保険申請件数はほぼ1年ぶりの水準に増加。米供給管理協会(ISM)の7月の製造業総合景況指数は過去8カ月で最大の活動縮小を示し、連邦準備制度が既に乗り遅れているとの懸念が台頭した。

BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンゲン氏は、米国債の水準訂正について「経済的な逆風が強まり続け、連邦公開市場委員会(FOMC)が四半期に0.25ポイントというペースよりも速く利下げを進めざるを得なくなるとの懸念が、投資家の間で高まっていることを反映している」との見方を示した。

7月末のFOMC会合に先立ち、前ニューヨーク連銀総裁のウィリアム・ダドリー氏、英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長のモハメド・エラリアン氏はいずれもブルームバーグ・オピニオンのコラムで、米金融当局が金利を過度の高水準にあまりに長く据え置くリスクを冒していると警告していた。

原題:Bonds Surge After Soft Jobs Data Raises Pressure on Fed to Cut、Treasury Two-Year Yields Slide to 14-Month Low Before Payrolls(抜粋)

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