(ブルームバーグ):世界の中央銀行が利下げに踏み切り、銀行の利益を支えてきた高金利時代が終わりを告げつつある中、英国の大手行はコストの引き締めに動いている。

イングランド銀行(英中央銀行)は今週、2020年序盤以来となる利下げを決定、追加利下げを示唆した。債券トレーダーは経済統計を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)による年内3回利下げの根拠が強まったとみている。

金利上昇に苦しむ家計にとっては朗報だろうが、近年の高金利で潤ってきた英金融機関の収益にとっては悪いニュースだ。多くの銀行が既にこの変化への対応を準備し始めており、今後数四半期の利益を守るためにコスト削減策に乗り出している。

例えばスタンダードチャータードでは飛行機で5時間以内の出張であればエコノミークラスを利用しなければならない。これまではビジネスクラスが当たり前だった。ロイズ・バンキング・グループはミーティングへの移動手段が他にある場合はタクシーを避けるよう指示している。また欧州最大の銀行HSBCホールディングスは出張する際には事前に1日3件の顧客とのミーティングを確保しておくよう従業員に求めている。

スタンダードチャータードは、長期的なコスト削減を目的としたプログラムに今後3年間で15億ドル(約2200億円)を投じる。同プログラムでは2026年の年間経費は120億ドルが上限となっている。昨年のベースは111億ドルだった。

ロンドンのカナリーワーフにあるHSBC

原題:London Bankers Fly Economy Class, Skip Taxi Rides Amid Cost Cuts

(抜粋)

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