秋田県沖で洋上風力発電事業を手がける企業が、男鹿市で漁業者と真ガキの試験養殖に取り組んでいる。大きく育ったカキが5日、初めて水揚げされ、関係者は事業化に向け手応えを感じていた。

能代市・三種町・男鹿市沖では、三菱商事洋上風力などでつくる企業連合が、高さ約250メートルの着床式風車38基を設置し、2028年12月の運転開始を目指している。

このうち男鹿市の戸賀湾では、漁業への影響が懸念される中、発電事業者が安定的かつ効率的な養殖漁業を確立しようと、地元の漁業者などと真ガキの試験養殖に取り組んでいる。真ガキは、バスケットとネットで2023年3月から育てられている。

7月5日に初めて水揚げされ、4センチほどのカキが約15センチまで成長した。戸賀湾の漁師・飯澤勉さんは、水揚げされた真ガキを食べて「上々だ」と笑顔を見せた。

日本海側は風が強く、海面養殖に向かないとされているが、戸賀湾は風や波も穏やかで、カキの成育にも適していることが分かった。

 戸賀湾の漁師・飯澤勉さん:
「話で聞いていたよりも、真ガキは大きくなりやすいのかなと思ったし、比較的環境が変わっても、十分に育つのかなという感じ。実績として、将来の若い人たちが漁業に携われる目安になったのかなと思う」

真ガキの養殖時期は、一般的に10~3月までとされ、戸賀湾の漁業者などは4~5月の出荷を見込んでいる。今後は、よりコストを抑えた方法を探り、2025年以降の事業化を目指す。

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