物価高による食材の値上げが止まらない。山形市内のそば店は、ほぼすべての食材の価格が高騰し頭を悩ませている。人気のゲソ天も、スルメイカの価格高騰と全国的な不漁でダブルパンチとなっている。
(リポート)
「山形名物・冷たい肉そばにゲソ天が添えられた人気の一品がピンチを迎えています」
山形市本町にある肉そばの専門店「肉そば扇屋」には、毎日多くの人が訪れている。
店主の青木研二さんは、約10年間そば店を経営しているが、ここ数年の食材費の高騰に頭を悩ませている。
(肉そば扇屋・青木研二店主)
「総合的に全部価格が上がっている。小麦・そば粉・鶏肉・ゲソ天のゲソ・天ぷら粉など、上がっていないものはない」
5年前と現在の仕入れ価格を比較すると、ゲソ天に使う「スルメイカ」が30%の値上がり、「天ぷらを揚げる油」も30%の値上がり。「小麦粉」が20%、「昆布」「鶏肉」が10%と、肉そばに使うほぼすべての食材が大幅に値上がりしている。
(青木研二店主)
「10年くらいずっと上がってきている。価格が上がるお知らせしか来ない」
中でも、ゲソ天に使うスルメイカは、漁船の燃料費の高騰に加え、全国的に不漁が続いていることから、価格の高騰に拍車がかかっているという。
全国的な不漁の影響は大きく、この店では、いまスルメイカを仕入れるのにもひと苦労だという。
(青木研二店主)
「不漁で値段が上がるというのもそうだが、イカが獲れていない。数年前に、一時ゲソ天を休止した時期もあった。今は何とか入ってきている状態だが、業者さんと漁業の方が頑張ってくれている。何とかなるが安定しない」
そして、何とか仕入れることができたとしても…
(青木研二店主)
「細い・小さい、大きいのはこれの倍くらいある。前は大きいもの3つくらいで出していたが、あんまりちょっとだけだと申し訳ないので、混ぜて個数を増やしたりしている」
食材の価格高騰とイカの品不足。さまざまな課題がある中でも、青木さんは、今後も可能な限り値上げはしないつもり。
(青木研二店主)
「これからこのまま価格が高騰してくることになれば、私たちもちょっと考えていかないといけない。食事って大切なので、楽しんでおいしく食べてもらえるように、なるべく負担のかからないようにやっていきたい」
イカは小ぶりでも、味は申し分ないということで、青木さんは物価高騰に負けず、おいしいそばとゲソ天を今後も作り続けたいとしている。
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