日本一長い大阪の天神橋筋商店街で、歩く速度で移動する小型の乗り物を使った実証実験が行われました。
■長い距離を歩くのが困難な人をサポート電動小型モビリティ「シーウォークエス」
6月15日から2日間にわたって、天神橋筋商店街で行われた実証実験。
商店街の買い物客が乗っているのは、トヨタの電動小型モビリティ「シーウォークエス」です。
【試乗した人】「歩くペースと同じぐらいなので、ちょうどいいですね。あまり速すぎても怖いので」
歩く速度で移動するシーウォークエスは、長い距離を歩くのが困難な人の移動をサポートすることを目的として開発されました。
【記者リポート】「私もさっそく乗ってみたいと思います。親指一本で簡単に操作できます」
運転に免許は不要で、親指で押すと進み、離すと止まり、操作も簡単です。
最高速度を設定し、ドライバーはその中でスピードを調整できます。
■日本一長い商店街で楽に買い物を楽しんでもらいたい
なぜ天神橋筋商店街で実験をすることになったのでしょうか。
全長2.6キロと日本一長い天神橋筋商店街。
日中は自転車の走行が禁止されているため、徒歩で移動すると、かなりの体力が必要です。
そのためシーウォークエスに乗って、楽に商店街の買い物を楽しんでもらえないかと考えました。
問題は、人通りが多い中で、安全に通行できるかどうか。
(Q.いま時速何キロぐらい?)
【試乗中の人】「2キロです」
下り坂では…。
【試乗中の人】「スピード上げると、(減速サポート機能が)反応しました」
シーウォークエスの本来の最高速度は、人の早歩き程度の時速6キロ。
実証実験では、少し落として時速4キロに設定しました。
そして、実際に買い物客に乗ってもらうと。
コースは南森町の駅の近くから、商店街の中を通り、大阪天満宮などをめぐります。
週末で人通りが多い中、スムーズに移動することができています。
シーウォークエスは、歩行者と会話を楽しみながら移動できるよう、速度や座席の高さも工夫されています。
【試乗した人】「同居の母がおりまして、足が悪いので、母にどうかなと。(モビリティに乗った母と)一緒に歩いて行けば、そのままスーパーに行けるし、いいかも」
【試乗した人】「(モビリティで)お医者さんや好きなものを買いに行くことが容易にできるから、いいと思います」
【天神橋筋商店連合会 盛岡淑郎会長】「近所やったら、(モビリティに乗って)行けますし、ハンドル操作も快適やし。商店街でこういうことをしてもらったら、ありがたい」
商店街は今後、買い物客から要望があれば、導入に向けて動きたいとしています。
■高齢者の買い物のサポートにつながるか
このようなモビリティの導入について、番組コメンテーターの共同通信社の太田昌克さんはこのように話します、
【共同通信社 編集委員 太田昌克さん】「特に長い距離を歩かなきゃいけないとか、気候や条件によってきょうは出たくないなんて、どうしても出不精になりがちな高齢者の方の心情を考えると、こういうものを使って、うまく街を楽しく散歩したり、買物することによって、自分の心身の健康につなげていただきたいと思います」
操作も簡単で利用者にも優しいということです。
【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「高齢ドライバーの操作ミスがいっぱい起きていますから、そういう意味で操作が簡単というのは大事ですし、買い物すると、どんどん荷物が増えて重たくなるので、高齢の方に限らず荷物を乗せながら買い物ができれば、買い物に行くのも億劫じゃなくなるのではないかと思います。あとはこれを導入するにあたって、自治体で差がないように、例えば補助金があるとか、そういうことがあると場所によって差ができないのではと思います」
具体的な導入に向けては、今後議論されるということになります。
(関西テレビ「newsランナー」2024年6月17日放送)
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