遮断機や警報機がない危険な踏切。改善にはコストが大きな壁となっています。
たくさんの花束が手向けられた事故現場。4月6日、群馬県高崎市の遮断機がない踏切で、小学4年生の女の子が列車にはねられ死亡しました。上信電鉄によりますと、列車の運転士は「踏切に差し掛かる直前に犬をつれて踏切内に女の子が入ってきた」と話しているということです。
(近隣住民)「すごく危ないなって思います」
事故が起きたのは遮断機と警報機が設置されていない『第4種』と呼ばれる踏切。国土交通省によりますと、第4種踏切は全国に2408か所あり、6年間で38人が死亡しています。第4種踏切は関西にもあります。
大阪府堺市にある阪堺電車の石津2号踏切。大阪府内の踏切で唯一、遮断機や警報機がありません。「左右確認」「危ない」などの看板が設置されていますが、道幅は1mほど。過去には子どもと列車が接触する事故もあったといいます。
(山中真アナウンサー)「今、列車が近づいてきました。もちろん警報は鳴りません。(列車が)こんなに目の前に。近いですし、スピードが速くないとはいえ、当たったら大けがですよね。これは危ないですね」
(近隣住民)「このあいだもちょっと危ないことがあって、イヤホンをしている人があまり聞こえなかったんでしょうね、(列車との距離が)遠いから。それで当たりかけた」
(近隣住民)「近くまできていて、ちょっと見過ごしたときはあった。(Q遮断機などは?)そりゃつけた方がいいんちゃいます。年とってきたら耳が遠くなったりしますから必要ですよね」
別の場所では死亡事故も起きています。2023年4月、京都府舞鶴市の第4種踏切で、シニアカーに乗っていた高齢の男性が列車にはねられ死亡しました。
国は2021年、全国の鉄道事業者に対して、全ての第4種踏切に警報機と遮断機を設置するか、踏切そのものを廃止するよう求めましたが、改善は進んでいません。その理由について専門家は次のように話します。
(鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん)「(Q第4種踏切に警報機などをつけない理由は?)コスト面の問題でつけられない。お金が問題になっている。利用者が少なくて赤字経営を続けていて経営環境も厳しい」
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