北陸新幹線の県内開業から16日でちょうど1カ月です。首都圏とのアクセス向上に加えて、新幹線がもたらす人流の増加や経済効果にも大きな期待が持たれていますが、各観光地や新幹線駅周辺は、新幹線の開業効果をどのように感じているのか、取材しました。
          
「新幹線開業」という歴史的な日から1カ月。春休み期間をはさんだこともあり、県内を訪れる人の数は好調に推移しているようです。
  
杉本知事:
「全国からの来訪者が増加した。特に関東からの来訪者が増加している」
  
県の推計によると、3月16日からの半月で芦原温泉、福井、敦賀の三つの駅の周辺を訪れた人の数は合わせて38万2000人で、前の年の同じ時期から8万9000人増加しました。特に、関東圏からは7万1000人が訪れていて、約7割増と大きく伸びました。
  
また、主要な観光地では「恐竜博物館」や「朝倉氏遺跡博物館」など、天候の影響を受けづらい屋内の観光地を中心に顕著な増加が見られました。
 
福井駅周辺の商業施設にも開業後多くの人が訪れています。駅西口のフードホール「ミニエ」でクラフトビールの製造と販売を行っているアワーブルーイングでは、すでに常連を獲得するなど滑り出しは順調なようです。
  
アワーブルーイング・岡田朋大さん:
「手ごたえは非常にあって、特に県内のお客さんを中心にいろんなお客さんに来ていただいています。毎週来てくれる人もいる。週末を中心にすごく忙しくさせてもらっている」
    
4月からは、隣接する醸造所でつくられた正真正銘の「福井エキマエ産ビール」の提供も始まりました。
   
アワーブルーイング・岡田朋大さん:
「僕らは、ファンの皆さんと今後一緒にビールをつくる。イベントもやるが、色んな人に関わってもらって、より賑わいを作りに貢献したい」
 
GW前後には新種のビールがデビューする予定で、開業直後の勢いを加速させたいとしています。
  
路面店も、新幹線の「開業効果」を実感しています。柴田神社近くに本店を構える村中甘泉堂です。開業当初は期待したほどではなかったそうですが「春休みに移ってから。新幹線ってこんなにすごいのかというくらい。びっくりした」と話します。客足はサクラの時期まで途絶えなかったといいます。
 
村中甘泉堂:
「もちろん今ほどの効果がずっと続くとは思っていないが、せめて2、3年くらいは今の感じが続いてもらい、少し落ちたとしても(開業以前の)3~4割増しで推移してくれれば」
  
一方で他の店舗からは「欲を言えばもうちょっと盛り上がって欲しい。平日ももうちょっと来てもらえると嬉しい」「駅直結の施設と比べるとまだまだ認知度というところでも知らない方も多くいらっしゃるので、ぜひミニエにも来ていただけたら」と、更なる「開業効果」を期待する声もあります。
 
一方、越前たけふ駅から車で10分のところにあるタケフナイフビレッジ。越前打ち刃物の購入や工房見学などができる施設です。
 
タケフナイフビレッジ・笠島道代事務局長:
「まだ1カ月なのでそこまで(開業効果は)実感はない。新幹線が開業した後に、急に客が増えることあるのかなと予想していたが、思ったほどのたくさんの人が来たということはない」
  
ただ、打ち刃物は季節性の商品ではないことや、北陸新幹線の沿線上に刃物の産地がないこともあって「新幹線開業は追い風でしかない」といいます。
 
タケフナイフビレッジ・笠島道代事務局長:
「継続して、関東方面は力を入れてPRや集客、当社を知ってもらうための情報発信をしていく。関東からのお客には期待が大きい」

開業から1カ月、「効果」のさらなる「広がり」が期待されます。
      

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