「駿河湾の宝石」と呼ばれるサクラエビが今年は豊漁です。水揚げ量が去年の倍に、地元ではうれしい悲鳴が上がっています。
■地元フィーバー!うれしい悲鳴
「駿河湾の宝石」と呼ばれるサクラエビをぜいたくに使った丼ぶりに、サクサクの触感がたまらないかき揚げ。さらにはシャリが見えなくなるほど豪快にサクラエビを乗せたおすしも。
今年、初の開催となった「桜えびフェア」。開催期間中はサクラエビをふんだんに使った限定メニューを各店舗で楽しめます。
神奈川の小田原のブリや富山県のホタルイカなど、各地で豊漁フィーバーが続いているなか、今、静岡県ではサクラエビが豊漁です。
しかし、これまでは不漁続きだったといいます。
由比港漁業協同組合 宮原淳一組合長
「平成30年(2018年)から5年続けて赤字っていうのは本当に厳しかったです」
2018年から続く大不漁から一転。豊漁に至った鍵は自然現象によるものではなく、地元一丸となった「逆転の発想」でした。
■直売所にズラリ「駿河湾の宝石」
先月、漁が解禁となった静岡県・駿河湾の宝石「サクラエビ」。今年は豊漁だといいます。漁港の直売所では取れたばかりの新鮮なサクラエビがずらりと並んでいました。
大阪から来た2人は次々とカゴの中にサクラエビを入れていきます。
大阪から来た人
「有名やしね。富山の方やったら白エビとか、こっちやったらサクラエビでしょ」
由比港漁協直売所 稲葉又一郎さん
「今年も豊漁で、町の方にも活気が出ていますので。サクラエビが(店の売り上げの)半分以上か、6割か7割」
■サクラエビ豊漁!背景に逆転の発想
なぜ、サクラエビが豊漁なのでしょうか。
宮原淳一組合長
「平成30年(2018年)になったらパタンって量がなくなっちゃって。平成30年(2018年)から5年続けて赤字は本当に厳しかったです」
実は、駿河湾のサクラエビは潮の流れが変わる黒潮大蛇行などの影響で2018年から漁獲量が激減していました。この状況を打破するため漁師たちが考え出したのが“逆転の発想”でした。
宮原淳一組合長
「取らないで子孫を残そうと、そういう努力をして。令和元年(2019年)からも、沖へ行っても禁漁区を設けて」
2018年には秋の漁を中止。資源を確保するために自主規制が行われてきました。
水温や海流などの影響が豊漁の要因といわれていることが多いですが、駿河湾のサクラエビは取る量を制限することで個体を増やし、漁師たちの努力によって豊漁となったのでした。
■甘味強く…水揚げ「去年の倍以上」
宮原淳一組合長
「きのうは一番揚がったんです。杯数で3000杯(45トン)。ここ何年かで初めて3000杯(45トン)取れました」
去年の今頃と比べ、2倍以上取れているサクラエビ。甘味が強く、これからさらに大きくなるそうです。
宮原淳一組合長
「豊漁というところで、つながっていってくれれば」
漁獲量が安定してきたため、今年、初めて開催した「桜えびフェア」。
サクラエビを提供する飲食店の社長
「資源回復して、また皆さんに食べてもらうようになるのは我々も非常にうれしいです」
期間中はサクラエビを使った限定メニューを楽しめます。
静岡市水産振興課 福元裕貴主事
「日本だと駿河湾が唯一取れるところだと思いますし、ここにしかない味をぜひ食べていただきたい」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。