人口減少時代を迎える中、ハピラインふくい、えちぜん鉄道、福井鉄道の鉄道会社3社が生き残りをかけ、5日に「県鉄道協会」を設立しました。都道府県の地域鉄道全社で団体を設立するのは全国初です。福井市内で行われた「ハピラインふくい利用促進協議会」で、協会の設立が発表されました。
  
県内の鉄道会社3社は、3月の北陸新幹線開業で増えた利用者が5月に入って落ち着きを見せる中、資材の高騰や運転士の人手不足、利用者の維持といった課題解決の必要に迫られています。
 
厳しい経営環境を乗り越えようと協会を設立し、3社が連携することで合意しました。会長に就任したハピラインふくいの小川俊昭社長は「地域鉄道が3社になった。連携しあうことで経営基盤も強化出来るし、協力し合って福井県の鉄道のネットワークをしっかり築き、県民にサービスを提供する」と語りました。
  
県鉄道協会では、利用客の利便性向上に向け▼3社のダイヤ調整や乗り入れの検討▼運転士の人材確保に向けた合同就職説明会や地域鉄道の魅力発信、などに取り組む
とし、枕木などの資材を共同購入することで、経費の削減にもつなげたいとしています。
 
会議では最近の3社の利用状況も報告されました。3月16日に開業したハピラインふくいは、5月までの利用者が1日約2万3千人と、当初の目標の1日2万人を上回っています。
 
また、えちぜん鉄道は、北陸新幹線の県内開業後、通勤・通学客以外のいわゆる“非日常利用”が2023年度比70パーセント増で、福井鉄道は、ゴールデンウイークまでの利用者数が2023年度比3パーセント増となっています。
 
一方で、人口減少が進む中、利用者をどう確保し生き残りを図るかが、今後の3社の課題となります。

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