「poimo」という乗り物をご存じでしょうか。宮城大学の准教授などのグループが開発した次世代の乗り物で、柔らかい発想が生んだ「ある特徴」が注目されています。

宮城大学の構内をさっそうと走り抜けるこちらの乗り物。その最大の特徴は、風船構造のボディー。空気で膨らみます。
「portable and inflatable mobility(持ち運べて膨らめられる移動手段)」の略称から「poimo」と名付けられました。車輪にはモーターを内蔵していて、最高速度は時速15キロ。操作はリモコンで行います。アクセルやブレーキの操作も簡単です。
「poimo」を開発した研究グループの一人で、宮城大学の佐藤宏樹准教授です。

宮城大学事業構想学群 佐藤宏樹 准教授
「軽い、折り畳める、持ち運べるというところで、移動するという体験が少し変わったものになるかなと思っている」

「poimo」は下の車輪を取り外して、ボディーの空気を完全に抜けばここまでコンパクトになります。車輪を除いた重さはわずか3キロ。持ち運びも手軽にできます。

宮城大学事業構想学群 佐藤宏樹 准教授
「例えば工場みたいなところで性質がうまく使われて、荷物を配送するロボットのようになることもあるかもしれませんし、避暑地みたいなところに送って使うとかそういうフィットするところがあると思うので、そういうところに入っていってもらえるとうれしいなと思う」

一方、気になるのは強度や耐久性です。風船構造と聞くとすぐ割れてしまうようにも思えますが…。

宮城大学事業構想学群 佐藤宏樹 准教授
「素材自体は体操用のマットやリハビリ施設の床に敷くものにも使われている構造になりますので、実際かなり強くて、上で人がバク転しても全然壊れない」

操作は簡単で持ち運びも可能。さらに強度も申し分なし。便利で身近な次世代の乗り物です。

宮城大学の学生
「結構、近未来的なルックスをしているのでそういった点では周りから見てあれは何だと注目を集めるかなと思う」
「大学の駐車場からデザイン棟まで結構、遠いんですけど、その距離ポイモに乗れたらめっちゃ楽できそうだなと思いました」

現状、公道を走ることはできないということですが、社会での実用化を目指して新しい形の開発も進められています。こちらはスタイリッシュなデザインのバイク型「poimo」。より安定した走りを実現しました。元々は、車いすの持ち運びのしにくさを課題と捉え、「空気の車いす」の発想から開発がスタートしたといいます。「poimo」には車いす型やソファ型もあり、体が不自由な人に役立つ乗り物になることも期待されています。

宮城大学事業構想学群 佐藤宏樹 准教授
「特に車いす型の方だと例えば少し体に障がいがあるとか、そういう方でも自分の状態に合わせて乗り物をデザインする。いわゆるインクルーシブな社会に貢献できる」

早ければ2、3年後の実用化を目指し開発が進められる「poimo」。誰もが暮らしやすい社会の実現へ期待は膨らみます。

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