卵の生産・販売を手がける県内最大手、都城市のフュージョンが決算を発表しました。記録的な高値が続いた卵の価格は消費者が購入しやすい価格に戻りつつあります。一方でメーカーは生産コストの増加で厳しい状況が続いています。

飼料高に鳥インフルエンザ…卵の価格はおととし8月頃から高騰。去年3月から5月にかけてはMサイズが1キロあたり345円と、記録的な高値となりました。今は…

(藤崎祐貴)
「宮崎市のこちらのスーパー、卵の特売を行っていて、1パック10個入り98円で販売されています。」

HEARTYながやま住吉店です。1パック98円で売られていたこの日は続々に買い求める人の姿が…こちらのお店では去年は228円まで価格が上がりましたが、半年ほど前から100円以下で販売できる日が出てきたといいます。※価格はすべて税抜き

(HEARTYながやま住吉店 瀬之口勇大店長)
「1年前の卵不足の状況からは安定して仕入れができるようになったので、少しでも日常の食材である卵を安く来店したお客さんに提供できたらと思って、企業努力にはなるのですが、この値段で提供しています。」

消費者からは…

(消費者)
「だいぶ下がってきていると思いますどこも。すごく助かります、安ければ安いほど良いので。」「高い時には特売で安いところを探して買ったりとか、ちょっと我慢をしたりとかしていたので、非常にありがたいです。この下がった金額を維持していただけると助かります。」

一方でメーカーはというと…

5日、卵の生産・販売を手がける都城市のフュージョンが昨年度の決算を発表しました。売り上げにあたる営業収益は前の年とほぼ同じ約120億2500万円となりましたが、経常利益は18.8%減って約5億4000万円と3年ぶりの減収・減益となりました。

(フュージョン 赤木八寿夫社長)
「あまりにも卵の値段が高すぎたために、卵全体の消費が減ってしまって相場が下がり、弊社の各月の売り上げも減っていったという形でした。特にパック商品というよりも食品メーカーが利用する液卵は、メニューや製品の中身から卵が外されてしまうと元に戻すのが非常に難しい。生産者、消費者ともに誰も得をしない相場になってしまったと考えています。」

需要の回復が難しいところに生産コストも上昇しています。

(フュージョン 赤木八寿夫社長)
「価格自体は4、5年前とあまり変わりはしないのですが、あの当時とはエサの値段が5割以上高くなっていますので、5年前ならこの相場でも利益を出せていたが、現在のエサの価格ではこの相場では大変経営が苦しいという状況です。」

フュージョンでは今後、アメリカで主流の量と価格を固定して契約する「コストプラス方式」での販売を検討するなどして、需要の回復を目指していきたいとしています。

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