福島市議会から「何がやりたいか見えてこない」と厳しい指摘があった福島駅前の再開発。当初の計画から大幅な見直しを迫られ、市民はどう感じているのか?

<身の丈に合ったかたち>
5月30日に行われた会見で「身の丈に合った形で成立させて、街中活性化の糸口をつかみたい」と話した福島市の木幡浩市長。
29日の福島市議会で、福島駅東口の再開発の見直し案を説明した際には「組合として何がやりたいのか、そういったものが一切見えてこない」と議員から厳しい指摘が相次いだ。

<大幅な見直しに街の人は>
計画の見直しについて福島市で話を聞くと「なんか、ちょっとさみしい。もう少し賑やかにならないと。商業施設とかがないと、人が集まらない」「デパートからだいぶ変わった、オフィスがすごい。もっと食事できるところだったり、子どもが遊べるところが多ければいいな」「身の丈に合っているよりは、かなりイメージよりしょぼい」と市民からも、厳しい声が多く聞かれた。

<議会から中止の声も>
「これ以上、民間が負担しなきゃならないという状況であれば、やめたほうが良いのではないですか?」と、議会から中止の発言もあった再開発。
木幡市長は「中止すると、融資を受けている金融機関への返済など大きな影響が出る」また「事業着手が遅れると、1年で10億円単位の事業費が増える恐れがある」として、いち早いスタートを切りたい考えだ。
一方、市民からは「例えば会議室とか、こういうところ誰が使うんですか?人・便利で考えるよりは、ただ物を作るだけ。私はこれやったよというアピールにしか思わないですよ」との声も。
2029年度のオープンを目指す賑わい創出の拠点…市民からも何か焦りの色が伺える。

<アンケートで不満が9割近く>
「福島駅前の再開発、どう思いますか?」
テレポートプラスのXでアンケートをとり1198票の回答、関心の高さが伺える。結果は、不満が65.4%、やや不満が20.6%と「不満」が9割近くを占めた。
多くのコメントもいただいた。
「市民は買い物ができる場所がほしいのに、何も声が届いていない」「はっきりとした見通しも立たない状況で、中途半端な施設を作るのは、やめてもらいたいです」そして、「市民に、なぜこうしたのか?が伝わらなければ、意味がないものばかりな気がしてなりません」といった内容だ。
イメージの断面図。アパレルなどの商業エリアは見送られている。

<会議室の状況>
「会議室は誰が使うのか?」という声があったが、いま、市内はどんな状況なのか。
福島市の木幡市長は「何よりもいま一番市民の皆さんに言われるのは、会議をする場所がない、バンケット(宴会)の機能がないと言われているからです」と話す。
福島市内のホテルによると、「会議室のレンタルは、予約が先々まで埋まっていて、依頼を断っているケースもある」という。
また、企業のオフィスが入る駅前のビルによると、「オフィスビルに空室がなく、特にフロアごと借りたい規模の大きい企業は、駅前で借りる場所がない」ということだ。
一方、福島駅前でどれだけの需要があるかは疑問だとも話していて、今後の具体的な計画に関心が集まりそうだ。

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