29日の東京債券市場で、新規発行10年物国債の利回りが上昇し、一時、前日の終値より0.03%高い1.065%を付けました。およそ12年ぶりの高い水準です。
長期金利の指標である10年物国債の利回りは、住宅ローンの固定金利や企業への貸出金利の基準となっていて、利回りの上昇は家計や企業活動に影響を与えます。
29日、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の高官の発言から、アメリカでの利下げ開始時期が後退するとの見方が広がり長期国債の利回りが上昇したほか、日本銀行が金融の正常化に向けて国債の買い入れ額を減らすとの見方から日本の国債が売られる展開となりました。
そのため10年物国債の利回りは一時、およそ12年ぶりの水準となる1.065%まで上昇しました。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、「日銀がどう行動するか次第で債券市場の参加者も様子を見ながら水準を探っている。来月の金融決定会合まで決定的な材料はないが、長期金利はじりじりと上昇していく流れになる」と分析しています。
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