いま、生鮮食品やお惣菜など食品に力を入れる“スーパー化”したドラッグストアが増えています。食品に力を入れるワケとは?買うべき狙い目の商品は?ドラッグストアのいまを紐解きました。

店舗数5000増&売り上げ1.5倍! 10年で急成長したドラッグストア

 日本チェーンドラッグストア協会によりますと、ドラッグストアは全国で約2万3000店舗(2023年度)あり、10年で5000店舗増えています。2万3000店舗というのはスーパーマーケットとほぼ同じ数です。


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 売り上げは10年で1.5倍に。ただ、スーパーマーケットの売り上げ約25.5兆円に比べると、全体としてはまだ大きくないという印象です。


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 そんなドラッグストア、売り上げにおける食品の割合は約3割(総務省調べ)。フードコンサルタントの池田恵里さんによりますと、いま業界で非常に勢いのある、北陸を中心に展開するGENKYや西日本を中心に展開するドラッグストアコスモスでは約6割にのぼるということで、食品の比重が高まっています。また、店舗によっては新鮮な生鮮食品を扱う店もあるということです。

ドラッグストアが「食品」に力を入れる3つの理由

 では、スーパーマーケットがあるにもかかわらず、なぜドラッグストアが食品を売り始めているのでしょうか。1つ目の理由として挙げられるのは、集客の目玉がこれまでの「安売り日用雑貨」から「食品」に変わっているという点です。「月曜日は卵の日」「火曜日は肉の日」など、食品は短いスパンで集客の目玉を作りやすいというのが専門家の見立てです。

 2つ目はターゲットの変化。日本の人口が減少していく中で、単純な顧客数ではなく、短いスパンで何度も来店してくれるリピーターを獲得する必要があります。

 3つ目は、高齢化社会にあって、多様な商品を1か所で購入できる「ワンストップショッピング」店舗が求められているという点です。例えば処方銭を持って行った時、待っている間に買い物をするなど、ドラッグストアに食品があると効率よく利用できます。

男性客のハートを掴む!?窒素を充填した惣菜とは

 そして、男性客のハートをいかに掴むかがドラッグストア経営のカギとなっているようです。フードコンサルタントの池田恵里さんによりますと、来店者の男女比は8割が女性、2割が男性となっていて、この2割の男性客をしっかり取り込みたいという思いがドラッグストアにあるといいます。池田さんいわく男性は「この店!」と決めると他の店に浮気をしない傾向があるそうです。そのため、今まであまり来店しなかった男性客にリピーターになってもらうためには、コスメや薬だけではなくて食品で心を掴みにいこうという狙いがあるということです。

 そんな男性のハートを掴む切り札として、「窒素を充填した惣菜」が注目されています。スーパーマーケットの惣菜は買った日に食べなくてはいけない商品が多い一方、窒素を充填した惣菜は日持ちするため、独身・一人暮らしの男性にとってありがたい商品となっています。

 野菜・肉の扱いに関しては、現状、スーパーマーケットに軍配があがるということで、野菜や肉はスーパーで、他のものはドラッグストアでと、使い分けている方も多いかもしれません。

プロのオススメは冷凍のPB商品 大きいパッケージがお得?

 では、ドラッグストアで買うべきものとは何なのか?池田さんに聞いたところ、冷凍のPB(プライベートブランド)商品がオススメだということです。例えば、ドラッグストアコスモスの「冷凍羽根つきギョーザ 12個」(税込み168円)。1個あたり14円で、SNSでも「おいしい」「この値段でこのクオリティ」などという声があがっています。


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 また、ドラッグストアコスモスの「冷凍たこやき 30個」(税込み468円)は、1個あたり15.6円。大きいパッケージの冷凍食品は、1個あたりに計算するとお得だということです。冷凍食品に力を入れているドラッグストアは狙い目かもしれません。

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