講演したブリンケン米国務長官=ウクライナの首都キーウで2024年5月14日、ロイター

 ウクライナを訪問中の米国のブリンケン国務長官は14日、首都キーウ(キエフ)の大学で講演し、安全保障に関する2国間協定を念頭に「10年間の協定のもと、米国はウクライナの防衛と安全保障を守る」と述べた。ウクライナは既に同様の協定をドイツやフランスなどと結んでいる。ブリンケン氏の発言は、米国との協定も締結が近いことを示唆したとみられる。

 ロシア軍が侵攻するウクライナは、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を目指しているが、時間がかかるとみられている。このため、支援国と2国間の協定を結び、NATO入りが実現するまでの間の安全保障環境を強化する狙いがある。既に9カ国と協定を締結している。

 ブリンケン氏は講演で「2国間協定はウクライナの防衛産業の構築を加速させ、必要とする重要な兵器をここで製造することが可能になる」と説明。ロシア軍が東部ハリコフ州で攻勢を強めていることにも触れ、「(ウクライナ市民は)孤独ではない。我々はウクライナの安全や主権が保証されるまで、そばに居続ける」と述べ、支援の継続を強調した。【ワシントン松井聡】

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