パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局は12日、イスラエル軍との戦闘による死者が3万5000人を超えたと発表した。ロイター通信などが報じた。ほかに、がれきに埋まったままの行方不明者も1万人以上に上るとされる。イスラエル軍は最南部ラファなどで軍事作戦を拡大させており、死者数が今後も増えるのは確実だ。
保健当局の発表では、12日時点の死者数は少なくとも3万5034人で、うちおよそ4割にあたる約1万5000人が子供だという。負傷者は7万8755人。ガザ地区の人口約230万人のうち、およそ18人に1人が死傷したか、行方不明になった計算だ。
人道危機も深刻化している。イスラエル軍は11日、ラファ東部と北部ジャバリア難民キャンプに対し、新たな退避勧告を出し、軍事作戦を拡大。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、これまでに推計約30万人がラファから退避を強いられた。
こうした中、イスラエル軍は12日、人道支援物資の搬入を増やすため、ガザ北部との境界で新たに検問所を開通させたと発表した。だが、エジプトとの境界にある南部のラファ検問所はイスラエル軍が制圧してから閉鎖が続いており、物資不足が解消する見通しは立っていない。【カイロ金子淳】
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